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里親家庭で暮らす子どもが満年齢で18歳になり、自立能力が確認されると委託措置が解除になります。
18歳というひとつの区切り、措置解除を前に里親里子の不安、気がかりなことや制度について、また、先輩里親さんの委託解除後の関係性をご紹介します。
「自分は18歳になったら里親の元を出ないといけない」と思い込んで、不安を抱えている子どもも少なくありません。
里親制度は原則18歳までという期限があるものですが、現在は20歳まで措置延長の制度が設けられています。
厚生労働省の「措置延長の積極的活用について」の中では
① 大学等や専門学校等に進学したが生活が不安定で継続的な養育を必要とする児童等
② 就職又は福祉的就労をしたが生活が不安定で継続的な養育を必要とする児童等
③ 障害や疾病等の理由により進学や就職が決まらない児童等であって継続的な養育を
必要とするもの
などの場合、児童養護施設等や里親等の意見を聴き、あらかじめ、児童等及びその保護
者の意向を確認するとともに、延長することが必要と判断された場合に活用すること。
出典:「児童養護施設等及び里親等の措置延長等について」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/tuuchi-13.pdf
とあります。
さらには2017年に「社会的養護自立支援事業」が設立されました。
社会的養護自立支援事業とは
里親等への委託、児童養護施設等への施設入所措置を受けていた者で18歳(措置延長の場合は20歳)到達により措置解除された者のうち、自立のための支援を継続して行うことが適当な場合には、原則22歳の年度末まで、個々の状況に応じて引き続き必要な支援を受けることができること
出典:「社会的養護自立支援事業実施要綱」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000167411.pdf
つまり、里親家庭で暮らす子どもや児童養護施設、ファミリーフォームで暮らす子どもたちは、社会的自立が不十分である状態で社会に出ることがないようにするために、措置解除となったあとも22歳の年度末まで延長して支援を受けることができるということです。
進学、就職、自立・・・18歳になった時に子どもたちは措置解除、措置延長の選択か向き合うこととなります。
子どもたちの中には「まだ里親さんのところで暮らしたい」という子どももいますが、逆に
「早く一人暮らしがしたい」という子どももいます。
措置解除、措置延長は里親、里子だけで決められることではありません。最終決定は児童相談所によるものであるので、児童相談所の担当者との連携が必要となります。
したがって、措置解除、措置変更は里親、里子の話し合いはもちろん、ケースワーカー、里親支援相談員などにも相談してすすめていく必要があります。
「自立しなければいけない」と無理をして自立に向かう里子も多くいます。
「自立」が無理を強いる自立にならないように、また「自立」とは何なのかも里子と里親、支援者とともに考えていけると良いですね。
うちは子どもたちがいつでも帰って来て良い場所だからと言っているし、いつもお姉ちゃん、お兄ちゃんがよく帰ってきてるので、そういうものとして子どもたちは感じてくれているのかもしれません。
その代わり、部屋は空いてないから泊まるなら小さい子どもたちとわたしの間か雑魚寝だけどね(笑)
(ファミリーホーム里親さん談)
高校を卒業して就職するので措置解除になりました。この家から巣立ってしまうさみしい気持ちと、これから働いてお給料もらって自分で生活していくのか。。。と。
よくここまでがんばった!とエールを送りたい気持ちと複雑でした。
子どもから「また帰ってきていい?」と聞かれた時は「あたりまえでしょ!!!」ってつい声を荒げてしまいました。
長い時間一緒に過ごしていたけど、この子はまだ遠慮しているのかな・・・と。
そんな里子も結婚して孫の顔を見せにきてくれています。子どものいない夫婦ですが孫の顔まで見せてもらえて幸せです。
(養育里親さん談)
・大きくなっても里親さんと生活がしたいです。どうしたらいいですか?
・里親家庭を出たあとも帰省していいですか?
・新しい環境になれるまで里親家庭で生活したいけど、できますか?
里子からこんな質問があったら・・・
この具体的なケースに答えているのがこちらの書籍です。
ONE LOVEオンライン里親サロンでも何度もご紹介していますので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
一部ご紹介させていただきます。
子どもたちの中には、このまま里親さんの家にいたいと思っていても、なかなか里親さんに伝えることができない場合もあるので、児童相談所をはじめとする支援者が子どもの声を聞き取る必要があります。
逆に、里親や児童相談所が措置延長や事業の活用をする方が良いのではないかと考えていても、里子自身がそう思わないケースも考えられます。
その際、双方の意見を率直に伝えられるような場をつくることも大切です。
(里親家庭で生活するあなたへ-里子と実子のためのQ&A-)
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