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養育里親の悩みでよくあがるのが、「里子がかわいく感じられない時がある」ということです。
こんな経験はないですか?
「里子がいうことをきかない」「癇癪をおこしてしまう」「お風呂に入らない」など…。
そんなとき、自分を責めてしまいがちですよね。どう捉えたら良いのでしょうか?
「こんなに一生懸命大切にしているのに!反発ばかり…わたしが悪いのだろうか?」
「どうしてこんなに言うことを聞いてくれないの?」
そんな風なお悩みをお持ちではないですか?
大丈夫です。子供を育てていると、同じように悩む人はたくさんいます。
それは、里子であっても、実子であっても同じこと。
養育里親の登録前研修でも教えていただくのですが、「試し行動」というものがあって、こちらが困る事、怒る事をわざとやってくるときがあるのです。
当団体の代表 岩朝しのぶのブログでも、過去にそんな悩みについての記事がたくさんあります。里子のKちゃんがおうちに来てしばらくたってのことです。
>今、Kちゃんがその「試し行動」がだいぶ出てきています。
ここからが里親としての正念場だと感じています。
こちらが困る事、怒る事をわざとやってくるので「試し行動」と
言われています。トイレでもないのに何度も「トイレに行きたい」と
付き合わせたり、ご飯を2時間掛けて食べたり、食べなかったり
キレて物を投げて私のせいにしたり、おばあちゃんにイチャモンつけたり
この前からはお風呂が嫌いなわけじゃないのにお風呂に入らない事が
2日連続したり、、、
泣き叫んで「絶対に入らない」と頑として譲らないので
もう仕方ないですが、、、3日目も入らなかったらどうしよう
とか試行錯誤の毎日です。
(JILL姉の里親日記 より)
これらの行動の原因のひとつは、こうすることで相手を観察し、「それでも自分を許してくれるか」を試しているのですね。
もちろん覚悟はしていたとしても、実際の場面に出会うと「こんなはずではなかった!」となってしまう里親さんの声は、たくさんあります。
試し行動だけではなく、里子の中には軽度知的障害があり「なぜ何度言っても覚えられないの??」など予想外のことも起こりえます。
また、根本的に自分を大切にできない子供も多く、暴言をはいたり、ものを盗んだり…。
そんなときは「もうだめだ…育てられない」と感じてしまって、そう感じる自分を責めてしまったり。どうしたらいいかわからなくて、仲の良かった配偶者にあたってしまい、本当は二人で仲良く子育てをしたかったのに、なぜこんなことに?などという自己嫌悪に陥ることもしばしば…。
岩朝しのぶは以前にも、奈良のしみんだよりのインタビューでこのように答えています。
「まさかそんなことをするなんて」というような出来事もあるかもしれません。
何を言っても「イヤ!」といって聞かない。世にいう「イヤイヤ期」は過ぎているはずなのになぜなのか?理解ができないと里親自信が途方に暮れ、孤立してしまい里子との関係を解除するなどの結末に至ってしまうケースも少なくありません。
(奈良しみんだより (2016年10月号) より)
でも、それらはやはり、その子の「自己肯定感」のなさからくることも多いのではないでしょうか。
虐待をされていた子も少なくありませんし、普通の家庭で育っていれば当たり前であることを、知らない子供も多い。人を信じられなくなっていたり、騙すようなことを言ったり、こちらの出方を伺っていたり…。
そんなとき、「かわいく思えなくなってしまった」と思ってしまうのは、当然のことだと思うんです。
まずはそう思ってしまう自分を責めずに、「こんなに思い通りにいかないんだから、かわいくないって思ってしまっても仕方がないよ。わたしはがんばっている。」と、自分を認めてあげることが大事だと思うんです。
大変すぎる…こんなはずではなかった。
など、自分を責めてばかりいる里親さんもおられるかもしれません。
けれども、里親さんたちのお話を聞いていると共通するのが、
「親は子供によって育てられている」ということ。
里子が来て同じ時間を過ごし、子育てをしていろいろな経験をすることで、自分自身が成長できている。そう感じられる日が来るということです。
岩朝はこうも言っています。
>実子を育てる場合でも同じだと思いますが、子育てをしていると自分自身が成長します。
子どもの成長を目の当たりにし、信頼関係が築かれていくのが分かって幸せを感じる瞬間がたくさんあります。
「里親は大変」里親経験者に聞けばみなさんそうおっしゃいます。でも「里親をやらなければよかったですか?」という問いにみなさん口を揃えて「里親をやってよかった」と答えるのは、その「幸せ」を感じていらっしゃるからではないでしょうか。
>養育里親は親権が実親のままなので、実親の元へ帰さなければならないという可能性を常に含んでいます。
よく「帰すのが辛い」という相談も受けますが、それは親心が湧いているということ、里親の最大の成果だとも言えます。
深い親心に包まれて育ったその感覚が間違いなく子どもの心に刷り込まれています。
その子が親になったとき、子育てのモデルになるのは自分が育てられた経験です。
子育てのやり方が、そしてその親心が受け継がれていくということ、これはとても尊く、社会全体に必要な連鎖でもあります。
(奈良しみんだより (2016年10月号) より)
苦しいときは、苦しいことにフォーカスしてしまいそればかり考えて、自分を責めてしまいがちですよね。
そんなとき、自分の辛さをはきだせる里親仲間や、相談しやすい専門家が身近にいれば気持ちの持ち方が変わります。
もしかすると、「こんなに悩むことではなかった」などという気付きに繋がることもあるかもしれません。
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