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里親になって、住民票を移したり、学校や幼稚園の入学手続きなど、さまざまな手続きをするときがあります。
そんなときに多くの里親が思うのが、
「里親、里子だということ、誰にどこまで伝えるのだろう?」
という問題です。
今回はそんなお話を考えてみたいと思います。
手続きの時もそうですが、「学校で、里子はなんて名前で呼ばれるんだろう?」
「わたしは里子の友達や先生に、なんて呼んでもらうんだろう?」
養育里親をはじめて初期に考えることですよね。
この問題は、実は子供にとってとてもセンシティブな問題なんですよね。
ややこしいからもとの性でいいじゃないか、という単純なものではないのですね。
たとえば里親と自分の性が違う場合、「なぜ違うの?」と子供同士で言い合う、ということにぶつかることがあるからです。
また里子に障がいがある場合など、学校や友人に背景をわかっていただけていないと、「なぜそんなことをするの?」という場面になる可能性もあったりします。
では、里子の気持ちはどうでしょうか?
子供の実名は大切なアイデンティティの一部です。
里親の名前で呼んでもらう里親家庭は多いようなのですが、実親の性を名乗る里子も多いそうです。
しかし、たとえば病院に行くときには受診時にもとの名前になったりして、そのたびに里子は気持ちが揺れ動くことがあるでしょう。
名前に関してはさまざまな意見があり、どれが良いとは一概には言えないと思います。
まずは里子とコミュニケーションを取り、里親のことをどう呼ぶか?
「お父さん」「お母さん」
それとも、「おじさん」「おばさん」でしょうか?
そのようなことも、しっかりと里子の気持ちを配慮し話し合うことが大切ではないでしょうか。
厚生労働省の里親の資料(PDF)にもこのようにあります。
里親の姓を通称として使う場合、
子どもが保護された背景や委託の状況(養子縁組の予定があるかなど)、子どもの意思、子どもの利益、実親の意向などがあるため、
児童相談所などの関係機関と相談して決める必要があります。
リンク先(厚生労働省 PDF 3.養育の開始 28.子供にとっての実名の重要性 より)
そのようなことを踏まえると、まずは里親がしっかり学校の先生と話すこと。
それから、ママ友などができれば良いコミュニケーションを取っておくこと。
そんなことが大切なのではないでしょうか。
また、PTAに参加するなどして、地域全体で里親制度の認知をあげていくことも必要ですよね。
たとえば里子がなにか問題行動を起こしたときがあるとします。
そんな時、その子の背景(たとえば虐待経験など)を少しでも理解していただけるような方が里子の周りにいるといないでは、大きな違いではないかと思います。
また、産経新聞にて、このようなニュース記事があります。
里親へのサポートなどを担当する鷲尾彩織さんや、里親の村木智行さんが、子供が学校で直面する困り事の実情を語った。
集まった約30人の教師やスクールソーシャルワーカーらを前に、鷲尾さんは、10歳になる年を祝う「2分の1成人式」や「生い立ちの授業」など、生育歴を明かす小学校の授業を例に挙げ、「小さいときの写真を持ってきてくださいとか、名前の由来を問われることがあるが、子供の幼い頃の写真がなかったり、名前の由来が分からなかったりして戸惑う里親さんは多い」と伝えた。
また課外授業などで保険証のコピーの提出を求められた際は、里親養育の場合、児童相談所が発行する受診券のコピーが必要となり、ひと目で他の子供との違いが分かるため「持って来て、といわれると不安に思う里親さんもいる」(鷲尾さん)という。
4人を養育する里親の村木さんは「子供の実の姓に里親の私が合わせ、学校では名乗るようにした」と明かした。
これらに限らず、困り事が生じやすい場面はある。こうした事情に配慮や対応を図るには「里親さんと先生がコミュニケーションを密にとり、話し合うことが必要。先生が対応に困った場合は、その子供を受け持つ児童相談所の里親担当者に相談してもらえたら」と鷲尾さんは話している。
生い立ちや名前の由来についての授業など、実際に目の当たりにしなくては、里親も配慮もできないですよね。
事前に知っていれば、このときになにかできることがあるかもしれません。
最近では教育委員会やPTAで、「里親制度」についての講演なども増えているようです。
いきなり大きなことはできませんが、地域が理解し自分を受け入れてくれるという安心感は、里子にとって大切なことだと思います。
小さな不安も「先輩里親さんとの交流で解決した、安心した」という声がたくさん聞かれます。
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