みなさん、こんにちは！
　3週に渡り、「うえだみなみ乳児院フォスタリングチーム」の里親支援機関としての取り組みをご紹介させていただきましたが、いよいよ最後となります。
　うえだみなみ乳児院の取り組みを多くの方にお伝えする機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
　第4回目はフォスタリングチームリーダー兼里親トレーナーをしております竹内が担当させていただきます。
　今回は「研修」がテーマとなります。登録前・登録後も研修を通して養育の質の向上を図るとともに、里親相互交流の機会として、うえだみなみ乳児院独自の研修を開催しています。

登録前研修（フォスターホームトレーニング）の紹介

この研修は　
①「里親の役割について」
②「チームで協働することの必要性」
③「様々な背景をかかえた子どもや若者を理解する」
④「子どもの持つ回復力を引き出す」
⑤「家族が安全でいられるための対応」
⑥「自立に向けて」　
この６つのワークブックで構成されています。

里親認定前の準備とアセスメントトレーニングの役割を成します。養育に必要なスキル、資質や適性を持っているか、里親になることが正しい選択かどうかを見極める手助けにもなります。
実際にこの研修を受講されて、養育里親に対する考えが少し甘かったことに気付き、この時点で休止された方もおられました。
逆に、この研修を受けたことで、養育里親として現実的に考えられるようになったと意欲を示してくださる方も多くおられます。

フォスタリング機関として養育里親を目指す皆さんに、この研修を通して、社会的養護の子ども達の養育の現実を理解してもらい、子どもと若者のニーズを満たすために何が必要なのかを考える機会になってもらえるよう、研修に取り組んでいます。

登録後研修（スキルアップ研修）の紹介

　うえだみなみ乳児院では、規約に基づき年２回のスキルアップ研修受講によりフォスターホーム（養育里親の愛称）の質の向上を図り、フォスターホーム更新の条件が満たされます。　
　未委託のご家庭に対しては、子どもが委託された際に直面する様々な事例、養育スキル、考え方などを学び、養育への不安などを解消し、安心して委託に備えていただくことを目的とします。
　委託後のご家庭に対しては、様々な問題行動に対するスキルや関わり方を学び、養育に対する負担を軽減することを目的とします。

・スキルアップ研修は、今年度９項目の研修を企画しました。
①子どもの発達について　
②学童期の子どもとの関わり　
③ライフストーリーワーク　
④思春期の性について　
⑤既存の里親による体験談　
⑥乳児の離乳食と子どもの食事について　
⑦親子関係を良くし子育てのストレスを軽減するプログラム
⑧フォスタリングチェンジプログラム（問題行動に対応するスキル等）
⑨子どもの権利と暮らす場所
今後も、その時のニーズに合わせた企画を提案していこうと考えています。

　 以上、研修についてご紹介させていただきました。

　うえだみなみ乳児院は、フォスタリングチームの他にパーマネンシーチームがございます。「パーマネンシー保障」という言葉をご存知ですか？
　パーマネンシーとは、子どもが安心・安全な養育と肯定的な感情の関係性を人的にも物的にも持つことができ、それらが途切れることなく未来においても保持されることを意味します。

＜パーマネンシーチームの役割＞
１、予防・家族再統合事業
安心・安全な家庭や地域の中で、子どもたちが自分らしく暮らせるように、地域の様々な資源を活用しながら家族保全・家族再統合のサポートをします。
２、産前産後母子支援事業
長野県から委託を受け、「にんしんSOSながの」予期せぬ妊娠で悩みのある方のための相談窓口を開設しています。行政や民間団体と連携し悩む女性の支援を行います。
３、特別養子縁組連携事業
　　本院の他事業に関連して、特別養子縁組が必要な場合に関係機関（児童相談所・民間養子縁組あっせん事業所）につなぐ支援を行います。

この３部門により構成され、妊娠期から切れ目のないサポートを行います。

　私たちは、子どものこころとからだの発達にとって、特定の大人との関係を築くことのできる家庭のもとで育つことが大切だと感じています。
　一人でも多くの子どもたちが、安全・安心な環境で（自らの家族とともに暮らせること）、（新しい家族に迎えられ家族という環境の中で暮らすことができるようサポートすること）、（妊娠や家族の「困った」「どうしよう」に寄り添いサポートすること）が必要だと考えています。　

　これからも、すべての子どもや若者、家族が地域で支えられ、その人（子）らしく暮らしていけることを実現するために、微力ではありますが取り組んでいきます。
　日本こども支援協会様、そしてお読み頂いた皆さま、本当にありがとうございました。