大阪乳児院里親支援機関おむすびです。コラム企画をご覧いただきありがとうございます。
最終回は「里親支援のこれから」についてご紹介させていただきます。

おむすびが企画する「里親サロン」をご紹介します。
大阪乳児院で面会交流された里親子さんや乳児院のこどもと交流いただいている週末里親さんを対象に、乳児院の行事にご招待し、開放スペースで子どもたちと一緒に遊んだり、お茶を飲みながら里親さん同士の交流をしていただいています。
昨年度は3回予定していましたが、コロナの感染拡大のため中止となり、2回の開催となりました。

5月の子どもの日にはこどもまつりが開催され、12月のクリスマス会ではサンタクロースも登場し大盛況でした。
同時期に面会交流をされていた里親さんたちは、子どもたちの月齢も近いことからすぐに意気投合され、便利な子育てグッズの情報交換や子どもが楽しめるお出かけ先の話題で盛り上がったり、子どもの担当職員との再会では成長を喜び合いながら、在籍当時の話に花を咲かせたりと楽しい時間が過ごせました。

サロンを拠点に里親さん同士が、子育ての悩みや不安を共有し「養育は孤独ではない」と感じてもらえればと思っています。また施設内で開催することで乳児院として里親支援に取り組む姿勢であることを職員にも周知するよい機会となっています。

里親認定前施設実習を受託しています。そのほとんどが特別養子縁組里親希望者の実習です。
乳児院で生活する子どもたちの実情を知っていただき、実際に子どもたちとの関わりを通して家庭と施設での生活の違いを知り、社会的養護の理解を深めるとともに、ミルクや食事の介助、おむつ交換、沐浴などの子どものお世話を体験していただきます。
子育て未経験の養親希望者にとってはすべてのお世話が初めての経験です。新生児の抱っこの仕方、排気（ゲップ）のさせ方などもご説明しています。

無事に里親登録された後、大阪乳児院の子どもとのマッチングが成立し、再びお会いできる養親さんもいらっしゃいます。ここにも大切な「ご縁」がありました。

里親リクルートにおいては、子ども家庭センターと連携し、特別養子縁組里親、養育里親希望者の相談から登録まで一連の業務に携わっています。おむすびがリクルートした里親さん宅へ大阪乳児院の措置児童を委託し、家庭訪問支援、実親交流支援など、子どもを取り巻く養育環境に必要な継続支援を行っています。

里親委託後の子どもの成長には目を見張るものがあり、温かく安心安全な家庭環境の中で育つことができる家庭養育の大切さを痛感しています。

『人と人とのつながり、場所や機会などのご縁を大切に、里親と子どもの縁をむすぶ（良縁を結ぶ）お手伝いをしたい』
里親支援機関「おむすび」の名称には、そんな職員の思いが込められています。

里親制度は、まだまだ十分に認知された制度とは言えません。未来ある子どもたちのために、たくさんの方に里親制度を知ってもらい、私たちと一緒に子どもの養育に携わってくださる里親家庭を開拓すること。
また施設職員のノウハウを生かし関係機関と連携しながら、里親子への適切な支援体制を整えることが、今、私たちにできることだと思っています。乳児院の役割や専門性を活かした里親養育包括支援機関を目指します！！

4週に渡り、私たちの取り組みをお読みいただきありがとうございました。