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~ONE LOVE 事務局より~
第3回となる今回のコラムは、静岡市里親家庭支援センターさんに静岡市の里親研修についてご紹介いただきます。
委託事業として「里親認定登録に関する事務」を委託されていることもあり、里親制度に関する問い合わせを受け付けています。ここから研修の始まりです。
「里親登録申請前の研修」は、里親制度説明から始まり、複数の職員がリレー形式で最低3回行います。「養育里親研修テキスト」の基礎研修に沿って、里親家庭で養育中に起こる具体的なエピソードを交えた内容です。
次に、里親になろうと思ったきっかけや夫婦の養育観、子どもの頃の育ちなどを聞き取ります。自分自身の育ちや子どもの時の体験が養育に直結すること、社会的養育を必要とするこどもの実際の育ちやそれにより表出している行動、持ち合わせたリスクなども伝えていきます。
申請前にこれらの話をすることで、「里親のイメージが思っていたものと違う」と、フェードアウトしていく方も少なからずいます。
面接研修を終えて、里親制度と子どもに関する理解が深まり、「里親になったら子どもを養育できそう」だとご本人やセンター職員ともに自信を持てたところで申請手続きに進みます。
申請書が受理されると、認定前研修・施設実習等、受講します。
児童福祉審議会の開催を待つ間にDVD「新しいきずなの作り方」(NHK厚生文化事業団福祉ビデオ)の視聴、乳児院ボランティア、里親サロンのゲスト参加、里親研修の託児ボランティア等を体験してもらいます。
中でも里親サロンへの参加は、大きな反響があります。子どもの養育に悩みを抱えながらも里親仲間と明るく、楽しげに養育している姿を見ることがとても有意義な体験になっているようです。「大丈夫。私たちが助けるからやってみたらいいわよ。」と先輩里親に背を押されて前に進む勇気をもらう方も多くいます。
当センターでは、DVD視聴から始まるすべての研修や体験にレポート提出を義務付けています。
レポート作成は重荷に感じる方もありますが、自身の学習や体験で感じたこと、社会的養育を必要としている子供たちにかかわって感じたことを文字にして振り返ることで、理解が深まります。そしてそれはマッチングに活きる里親アセスメントの資料にもなるのです。
レポートは、「普通の夫婦」が「社会的養育を担う里親」に変化していく様子を写し出し、読みながら感動します。数年後、養育中のご本人に読み返してもらうのも楽しみです。
ここからは登録後の研修の紹介です。
当センターの養育里親研修は「里親の卵から子どものゆりかご・自立まで」をテーマにしています。
新米里親さん(里親の卵)の養育トレーニングから、子どもの成長段階で起こる問題や改善方法を知り、自立を助け支援すること(子どものゆりかごから自立まで)を体系的に学ぶ研修に形を変えました。
全里親に向けた自由参加ではなく、その研修対象となる里親をピンポイントに誘い、同じステージにいる同級生のように、一緒にステップアップしながら段階的に学習を進めます。
受託前
①里親スタート研修
受託前に「自分を知る」「親の役割とは」「子どもとのかかわり」について学ぶ。
②未受託フォローアップ研修
里親宅への訪問・保育園での保育参加・保健センター見学
「子どものいる暮らしシミュレーション」(プレ・レスパイト)・サロンへの参加や託児ボランティア
③乳児受託前養育実習
入浴や爪切り、授乳やあやし方、おむつ替えや健康チェック、安全チェックなど、赤ちゃんとの生活をスムーズにスタートするための実習(30時間〜)
乳幼児期
①安心感の輪
アタッチメントに焦点を当てた親子関係づくり支援プログラム 全6回
②ちびっこサロン
乳幼児を養育中の里親を対象に子連れで参加するピアカウンセリングの場
幼児・学童期「フォスタリングチェンジ・プログラム」
③問題行動のメカニズムを理解し、里親里子の関係改善プログラム 全12回
中・高・自立期「自立支援プログラム」
④様々な職業の人から話を聞いたり職業体験を通して大人になることを想像する。
措置解除後の生き方、将来の仕事や自分の未来を思い描く機会を提供する。
一般就労と福祉就労、一年毎に実施
養育知識向上「養育スキルアップ研修」
⑤発達障がい、養子縁組、ライフストーリー・ワーク、スマホS N Sと子どもたち、お父さん研修など 課題別・単発開催の研修。
特別な支援を必要とする里子が全委託児童の約6割という現実にあって、学習なくして養育は乗り切れません。登録前から研修受講はマストだと伝えること、サロンや里親相談員訪問で研修の話題が出ることで受講意識が変わって来ました。
学習することを楽しんで、習ったことを試してみる。それによって考え方、子どもの見方が少しでも変わり、里親子の平和な日常が増えることを目指して研修を企画しています。
特定非営利活動法人 静岡市里親家庭支援センター
NPO法人静岡市里親家庭支援センターは、「里親による里親のため里親支援」を実現するため、静里親会が平成22年にNPO法人を立ち上げ、平成23年に静岡市から里親支援事業の一部を、平成25年に措置を除く静岡市の里親支援事業全般を委託されました。
「里親家庭支援センター」という名称のとおり、子どもを中心に据えた里親の家庭の養育支援を包括的に行っているフォスタリング機関です。里親会会員の皆さんも支援活動に貢献しています。
団体概要
団体名 | 特定非営利活動法人 静岡市里親家庭支援センター |
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連絡先 | 住所:〒420-0947 静岡市葵区堤町914-417静岡市児童相談所内 TEL:054-275-2252 FAX:054-255-2052 Email:satooya@skyblue.ocn.ne.jp |
ホームページ | https://fcsshizuoka.com/ |
SNS | Facebook:静岡市里親家庭支援センター Instagram:satooyashizuoka |
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