養育里親をしていて、もし、養育期間が長期化し里子が大学進学をしたいと言ってきたら？

できるだけ支援してあげたいと思うこともありますよね？

社会的養護が必要な子どもに対する直接的な自立支援が不足しているのは、重々承知の上、里子の大学進学についてのお役立ち情報を取り上げてみました。

社会的養護が必要な子どもは、児童養護施設等か里親家庭かで養護されますが、大学進学率に関してこんなデータがあるのをご存知ですか？

・児童養護施設の大学進学率13％

・里親家庭の大学進学率27％

この数字の背景には様々な要因がありますが、お金も人員も限りがある施設にとって、大学に進学したい気持ちを叶えてあげるための手段が、物理的に不足していて、里親の方が支援を形にしやすいという現状があります。

決して施設を攻めることを目的にこの数字を引用したのではありませんが、里子の将来のために何とかしたいという里親の気持ちの積み重ねが数字の開きに現れていて、里親への敬意が深まる数字でもあります。

しかし、精神的なサポートは里親が果たせる大きな役割ですが、大学進学が措置費の対象になっているわけでもないため、現実的に一定のお金が必要になります。

では、里親はどうすれば良いでしょうか？

そんな場面を想定して、里親が参考になりそうな情報をいくつか、ご紹介させていただきます！

大学無償化制度の概要

2020年4月より開始された、大学無償化制度（高等教育無償化制度）を利用すれば、里親が直接学費を負担せずに、里子の大学進学が叶えられることをご存知でしょうか？

大学無償化制度とは、所得が少ない世帯を対象に、大学、高校等の教育費の支援が受けられる制度です。

・授業料や入学金が免除や減額される

・返済不要の奨学金が支給される

家庭の所得にもよりますが、大学進学に必要な入学金等の負担が大幅に減り、かつ大学進学中に毎月数万円返済不要の奨学金が里子に振込まれるという仕組みです。

この制度を活用すれば、里親が大学進学に必要な費用等を捻出する必要がなくなる場合がありますので、ぜひ制度の詳細を知ってもらいたいです。

詳しくは、学生時代に貸与型奨学金を利用して大学に入学し今も借金返済中で、ひとり親向け学習支援NPOの代表をしている方が、大学無償化について記載した記事をみつけましたので、ご参考ください。

神戸市内の里親家庭等には追加の民間支援も

大学無償化は素晴らしい制度ですが、「給付奨学金が入るまでの数ヶ月」という落とし穴があります。

そこに対して、神戸にあるNPO法人Giving　Treeが、「入学時納付金貸与奨学金」事業をされているようですので、こちらも併せてご参考下さい。

https://www.facebook.com/GivingTree.FosterCare/posts/379068999464311/

投資という手段を活用し長期運用すると、数十万円の資金でも里子が大学進学を希望する時には、その資金を捻出できる程の金額になる可能性があります。

日本人のお金に対する能力を高める事を目的で有益な情報を発信されている「リベラル・アーツ大学」の動画で、分かりやすく内容がまとめられています。

【お金の教育】大切な子どもが「お金で苦労しない」ためにできること

なお、上記動画は実子を前提に作成されていることをご理解ください。

運用はリスクも伴いますし、里親の場合は、どれだけの期間里子を養育するか分からない等の難しさもあるかと思います。

「自分名義で運用し、もし里子が大学進学の資金を相談をしてくることがあった時に備えて、そういうことがなければ自分で使おう。」

くらいの感覚で時間を味方につけて、運用という手段を選ぶのもいいかも知れません。（投資にはリスクもあるので、あくまで自己責任でご判断をお願いします。）

里親は未整備である福祉制度と里子との実生活の間で、難しい選択をとらないといけない場面が多いのが現状です。

里子の大学進学と類似するもので、里子保証人問題も里親にとって悩める問題です。

そもそも、里親の在り方、国の里親支援の在り方に、あまりにも改善すべき事が多く、里親がしんどい思いをしていることが本当にたくさん、存在しています！

子どもの未来を任された里親が、苦しむ現状は少しでも早く、改善が必要です。

そのためには、適切な形で行政に里親の声をあげていく必要があります。

里親としての大変なこともたくさんあるかと思いますが、どうか、一人で抱え込まないで欲しいです。

私達、事務局は、そんな里親の支援を第一に考えて、オンライン里親サロンを運営しています。

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