ネグレクトは、別名「育児放棄」「育児怠慢」などとも呼ばれている、児童虐待の1種です。例えば、「食事を与えない」「不潔にする」「病気やケガをしても病院に連れて行かない」といった行動が該当します。近年、ネグレクトの相談件数は3万件を超えており、増加の一途を辿っている状況です。
そこで今回は、ネグレクトの定義や概要、子どもが受ける影響、近年の動向・データを中心にまとめました。
ネグレクト(英語:Neglect)とは、もともと「怠慢・粗略」「無視・軽視」などの意味を持ちます。そこから転じて、児童虐待・障害者虐待・高齢者虐待・患者虐待の1種として定義されるようになりました。そのほか、ペットの飼育放棄についても意味することがあります。このうち、子供に対するネグレクトは、育児放棄・育児怠慢・監護放棄などと呼ばれています。
児童虐待防止法によると、ネグレクトに該当する行動は「保護の怠慢・拒否」であり、以下のように規定されています。
また、厚生労働省の児童虐待防止対策によると、ネグレクトの具体例は、「家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない」などです。つまり、子どもが生きていくうえで、また成長するうえで最低限必要とされるものや環境などを与えない行動が該当します。
なお、ネグレクトの内容によって、「身体的ネグレクト」「情緒的ネグレクト」「医療的ネグレクト」「教育的ネグレクト」といった区分が設けられることもあります。それぞれの例は、以下のとおりです。
子どもに対するネグレクトは、子どもの健康・衛生・健全な発育を損なうとされています。また、適切な親子関係や対人関係が構築できないまま子どもが成長し、人格形成に重大な悪影響が及ぶことも懸念されています。さらに、ネグレクトと併せて暴力的な虐待が行われているケースも少なくありません。
厚生労働省の資料によると、令和2年度における児童相談所での虐待相談は、心理的虐待(121,334件、59.2%)の割合が最も多く、2番目に身体的虐待(50,035件、24.4%)、3番目にネグレクト(31,430件、15.3%)の割合が多いという状況です。
この点だけを見ると、ネグレクトは心理的虐待や身体的虐待と比べて深刻ではないような印象を受ける方もいるかもしれませんが、ネグレクトの相談件数は11年前(平成21年度)と比較すると2倍以上に増加しており、決して軽視できません。
ネグレクトを受けている子どもは、疲れている様子・空腹・身体的外傷・情緒の不安定さなどが見受けられることがありますが、一見して正常に見えることもあります。わずかな症状・サインに気づけるかどうかが大切です。
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