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RAMPS(ランプス)とは?実施校の声や数を子どもの自殺者数の推移とともに紹介

最終更新日2024.0325 公開日2024.03.25

2021年、子どもの自殺者数が過去最高を記録しました。近年、増加傾向が見られる子どもの自殺者数の推移に対して、子どものSOSを察知するにあたってRAMPS(ランプス)の活用が効果的であると話題になっています。

RAMPSでは、子どもにタブレット端末で11の質問(生きていても仕方がないと考えたことはありますか、など)に答えてもらうことで、自殺のリスクなどが客観的に示されたり、メールで校内の関係者に知らせたりする機能などが備わっています。

本記事では、RAMPSの概要、実施校の声や数などを紹介します。

RAMPS(ランプス)とは


RAMPSとは、自殺リスクや精神不調の見過ごしを防いで、保護者や医療機関への説明など、その後の必要な支援に役立てることを目的に開発された心身状態評価と支援促進システムのことです。

「死にたい」といった声に出しにくい心のつらさを児童生徒が養護教諭に伝えることを助けたり、教員が児童生徒の抱える精神不調の見過ごしを防ぐことを助けたりするために、東京大学・相談支援研究開発センターの北川裕子特任助教らによって開発されました。

タブレット端末に心身状態の評価指標が搭載されており、児童生徒の実際の回答をもとに、システムが自殺リスクをはじめとする精神不調の状態を自動で可視化してくれます。

質問では、初めに「つらいものは?」と尋ねられて、頭痛、下痢、ストレスなどから回答を選びます。回答時には、「なんとなく」「不調なし」「答えたくない」といった選択肢もあります。その後「眠れていますか」「食欲は」などの質問が続き、無気力や絶望感、自傷の経験、「生きていても仕方がないと考えたこと」の有無などを答えてもらいます。いじめや幻聴の経験も尋ね、最後に「つらいときに相談できる人」を聞く流れです。

そして、養護教諭らが回答内容に対応した質問例に沿って問診し、結果を入力すると、精神医学の国際的評価尺度による自殺リスク(4段階)などが表示される仕組みです。

RAMPSの活用場面は、日々の保健室での来室者への使用、定期健康診断等で児童生徒全体への使用などが想定されています。児童生徒個人のスマートフォンやタブレット等を用いて実施するシチュエーションも想定されており、学校では答えにくいと感じる生徒も帰り道や就寝前などいつでもどこでも気軽に回答できます。

子どもの自殺者数の推移


近年、子どもの自殺者数が増加傾向にあります。文部科学省の資料によると、2021年度における小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は368人でした。過去最高であった前年度の数値(415人)よりも若干の減少が見られたものの、子どもの自殺者数は依然として深刻な状況です。

そこで、小・中・高等学校などの教育現場では、子どもの悩みをいち早く察知するために、「心の診断」などにICT(情報通信技術)を活用する動きが出てきており、RAMPSの導入もその一環として捉えられています。

参考:文部科学省「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」令和4年10月27日

実施校の声


実際にRAMPSを導入している学校では、以下のような声があがっています。
・(生徒)死にたい気持ちを初めて言えた。あえて聞かれないと言えなかった。
・(教員)自殺リスクの評価では、希死念慮から、自殺行動について段階的に具体的に聞くことができる。タブレット利用により、生徒の自傷、希死念慮、自殺企図を初めて知り、学校全体での見守り、事後対応のきっかけとなった。

実施校の数

近年、RAMPSを導入している学校数は以下のとおり推移しています。
エリア 2020年度の実施数
北陸 高等学校および中等教育学校:33校(前年度:22校)
関東 高等学校:2校(前年度:1校)、中学校:1校(前年度:0校)、ほか複数校で実施準備中
出典:RAMPS

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