子どもシェルターとは?用語の意味・利用できる人・運営にかかる費用を解説
最終更新日
公開日2025.03.31
子どもシェルターは、家庭内での虐待やネグレクトなどにより家にいられなくなった、緊急を要する子どもたちのための一時避難場所です。児童相談所での一時保護は主に中学生までが対象であり、集団生活に適応できない場合や、児童福祉法が18歳未満の子どもにのみ適用されるため、特に10代後半の若者が行き場を失いがちです。これらの理由から、子どもシェルターは行き場のない10代後半の若者を中心に受け入れています。
本記事では、子どもシェルターとはどういった施設なのか、用語の意味や利用できる人、運営にかかる費用について分かりやすく解説します。
子どもシェルターとは
子どもシェルターは、虐待、暴力、貧困などさまざまな事情で家を出ざるを得なくなった子どもたちが一時的に避難できる場所です。これらの子どもたちには、安全な場所で過ごし、温かい食事を提供することが重要です。
子どもシェルターでは、子どもたちが24時間いつでも頼れる大人からサポートを受けられます。弁護士、臨床心理士、医療関係者など、さまざまな専門分野のプロフェッショナルが協力し合い、子どもたちが直面する問題に対応し、彼らの将来について一緒に考えるサポートを行っています。
子どもシェルターは、東京都や横浜市・名古屋市・京都府・福岡市などを中心に設立・運営されており、そのほかの地域でも開設のための準備が行われています。
平成23年には、厚生労働省の通達によって子どもシェルターが児童福祉法に基づく「児童自立生活援助事業」の一部と正式に認定されました。このため、今後も子どもシェルターのさらなる発展が期待されている状況です。
子どもシェルターを利用できる人
子どもシェルターによって異なりますが、10代後半〜20歳未満の子どもを利用対象者としているケースが多いです。施設によっては、利用できる性別を限定していることもあります。
例えば、以下のような悩みを抱えている場合、子どもシェルターの利用が推奨されます。
・非行を起こしたが、帰る場所がない
・妊娠して家を飛び出したが、泊まる場所がない
・虐待を受けていて、家に帰れない
・親からひどいことを言われて、家にいたくない
子どもシェルターの運用にかかる費用
近年、国が子どもシェルターの重要性を認識し始めた結果、これまで民間の助成金や寄付に大きく依存していた不安定な経営状況がある程度改善しました。この変化により、シェルターでは常勤職員の人件費や子どもたちの日々の生活に必要な経費の一部を行政からの支援で賄えるようになりました。
ただし、この援助の金額は前年度に新しく入所した人数に基づいて決定されるため、所定の人数に達しない場合、運営が非常に困難になる場合があります。
そのため、日々の運営費用だけでなく、シンポジウムの開催、広報活動、ボランティア養成講座の実施、施設の改築や改装などの特定のプロジェクト資金を得るために、一部の施設は企業や民間団体から公募されている助成金を活用しています。
このように、子どもシェルターは行政の補助金や企業、民間団体からの助成金を受け取って運営されています。しかし、これらの資金だけでは年間約1,600万円〜1,700万円とされる運営費を全て賄うことは難しく、その差額を補うためには追加の支援が必要です。
以上の理由から、シェルターの活動に賛同し、支援してくれる人々からの会費や寄付を積極的に募集している施設もあります。
参考:
NPO法人子どもセンター ぽると
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