子どものことや障害のことを調べていると、
「きょうだい児」という言葉を目にすることがあります。
徐々にメディアでも取り上げられる機会が増えてきた言葉ではあるものの、
まだなじみがあるとはいえません。
きょうだい児とは、簡単にいうと、障害のある子の兄弟姉妹のことです。
きょうだい児には、「障害のあるきょうだいに手がかかるため、親に甘えられない」
「きょうだいのことでいじめられる」といった特有の悩みがあるとされています
今回は、きょうだい児の意味や抱える問題、
フォローする方法などを幅広くまとめました。
きょうだい児とは、病気や障害の兄弟・姉妹をもつ子どものことです。
兄・弟・姉・妹のどの組み合わせも意味する言葉であることから、
「きょうだい」はひらがなで表記されます。
また、「児」とあるものの、
「きょうだい児」が成人済みの場合であってもさまざま問題が生じるため、
児童のケースと成人のケースをまとめて「きょうだい児」として捉えることも多いです。
きょうだい児は、両親の関心が自分以外の「きょうだい」側に集中しやすく、
親に甘えられずに親代わりのヤングケアラーとして、
成人後も「きょうだい」の面倒を担当させられることが多いです。
また、彼らの多くは「きょうだい」のおむつ替えや車いすを含む介助など
「自分が我慢するのが当然」と感じて過ごして育っています。
なお、統合失調症など学童期以降に発症する精神障害で「きょうだい」が変化し、
突然「きょうだい児」になるケースもあります。
近年、こうした子どもたちを支援しようと、
行政や民間が動き出している状況です。
きょうだい児の中には、生涯にわたって障がい者を支えていくことに
不安や悩みを抱えている人が多くいます。
抱える問題・悩みとして代表的なものをピックアップし、下表にまとめました。
人間関係に不安がある | 周囲の目や周りとの違いが気になり、障害をもつきょうだいのことを恥ずかしく思うことがある。家族を隠すという罪悪感に悩まされることもある。 |
自分の感情をうまく出せない | 家族のケアが当たり前になると、自分の感情を出せずに気づかぬうちに我慢がたまって心身に影響が出ることがある。 |
自信をもてない | 褒められる経験が少なく、障害をもつきょうだいが褒められる場面ばかりを見て、自己肯定感を失いやすい。 |
恋愛・結婚に不安がある | 交際や結婚をする際、障害をもつきょうだいがいることを伝えるかどうか悩んだり、相手に受け入れられないのではないかと不安になったりする。 |
きょうだい児はネガティブな問題を抱えることが目立っている一方で、
「障害に対する理解を深められた」「障害があるきょうだいを受け入れられた」など、
ポジティブな気づきを得られることもあります。
障害者だと意識しなかった |
・きょうだいに自閉症があるものの、いつも楽しく一緒に遊んでいた。 ・他にも健常者のきょうだいがいて、特に負担には感じなかった。 ・友達も一緒に遊んでくれて、手伝ってくれるため、とても楽しい。 |
気付き・学びがある |
・きょうだいがいなかったら、障害のことを知らないまま大人になっていたかもしれない。 ・他のひとが体験できないようなことを体験できて良かった。 |
例えば、両親が揃っている家庭であれば、
両親がどちらも障害のある子供にかかりきりにならないよう「お母さんと障害のある子ども」「お父さんときょうだい児」や、「お父さんと障害のある子ども」
「お母さんときょうだい児」などと交互に分担し、
それぞれと関わる時間を設けてあげることが、1つのフォローの仕方です。
また、いわゆるワンオペで育児をしている場合は、
障害のある子どもを預けている時に、
親ときょうだい児の子どもだけで秘密の時間を過ごすことも1つのフォローです。
例えば、きょうだい児と一緒にアイスを食べに行く、
外食する、映画を観るなどが挙げられます。
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