ダブルケアとは?実態や課題、対策方法を解説
最終更新日2022.05.16
公開日2022.05.16
出産年齢の高齢化・少子高齢化・核家族化などの影響を受けて、今後の日本では「ダブルケア」に直面する人がますます多くなっていくと予測されています。
そこで今回は、ダブルケアの概要や実態、課題と対策方法などを中心にまとめました。
ダブルケアとは
ダブルケアとは、育児期にある人(世帯)が、親の介護と子育てを同時に担うことです。
女性の晩婚化による出産年齢の高齢化に加えて、兄弟数・親戚のネットワークの希薄化も進行している現代は、家族構造が変化しており、今後ともダブルケアを負担する世帯数が増加すると予測されています。
実態
内閣府発表の資料によると、現在の日本でダブルケアを行う人の数はおよそ25万人いると推計されています。その内訳を見ると、女性はおよそ17万人、男性はおよそ8万人で、女性の数が男性の2倍ほど多い状況です。
また、ダブルケアを行う人の年齢は30歳〜40歳代の割合が高く、男女ともに全体のおよそ8割にまで及んでいます。
さらに、ダブルケアを行う人の就業状況を見ると、ダブルケアを行っている女性の半数は有業者であり、そのうち「家事ではなく仕事が主」である人がおよそ半数です。これに対して、ダブルケアを行う男性の9割は「家事ではなく仕事が主」である有業者です。
そのほか、この調査からは、ダブルケアを行う女性は男性に比べて周囲からの手助けが得られていないこと、ダブルケアを行う男性は配偶者からほぼ毎日手助けを得ているのが半数以上であるのに対して、女性の場合は4人に1人にとどまっていることなどもわかっています。
参考:
内閣府男女共同参画局「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査(内閣府委託調査:株式会社NTTデータ経営研究所実施)」平成28年4月
課題
従来の日本では、「仕事と子育ての両立」もしくは「仕事と介護の両立」が問題視されてきましたが、現在はさらに、「子育て・介護・仕事の両立」という問題が加わっています。
現状として各家庭の努力のみでは立ち行かなくなっているケースも多く見られ、従来の介護サービス・育児サービス・子育て支援策・高齢者介護政策などの見直しが迫られている状況です。
超少子化と高齢化が同時進行し、超高齢社会を迎えている日本では、近い将来、ダブルケアが大きな社会問題・政策課題に発展すると考えられています。
対策方法
ダブルケアへの対策の1つとして挙げられるのは、「問題に直面する前にできる限り準備をしておくこと」です。とりわけ介護はいつ直面するのか予測を立てにくいため、早期のタイミングから情報収集を始めることが望ましいです。
最近では、ダブルケアに関する悩みを持つ人を対象にした取り組みを行っている自治体も存在します。一例を挙げると、横浜市ではダブルケアサポーターの養成講座を開催し、認知度向上や理解を深める取り組みを実施しています。また、京都府では介護と育児問題を相談でき、適切なサービス紹介を行える態勢を構築するなど、ダブルケアをサポートする動きが目立ってきている状況です。
また、ダブルケアカフェ(親の介護と子育てを同時に担う人が当事者同士で語り合えるカフェ)を開催する地域も増えています。こうした当事者ネットワークへの参加も、準備や情報収集を行ううえで効果的です。
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