「養育里親」をスタートしたのは、今から約2年前。現在5歳の女の子Tちゃんと新米里親のリアル奮闘記です。
興味本位の方、里親考え中の方、そうでない方に少しでも知って頂き、お役に立てたら幸いです。
前回のお話の通り、残念ながら乳児院での施設交流中、なかなか「なつかない」Tちゃんとの日々も1ヶ月を過ぎた頃からは里親候補である私と2人の時間を作って頂ける様になりました。
※前回の記事はこちら▶︎乳児院での交流から始まった不意打ち試し行動!?初めての里親体験談
相変わらずTちゃんは私の言うことは聞かず、目さえ合わせようとはしてくれませんが、何度か2人での時間を過ごすうち、「私と一緒」と言うよりは、他の子とは違う時間を過ごせる事自体が嬉しい様な、一種の優越感の様な態度をチラつかせる様になりました。
施設の職員さんからは
「Tちゃん思ったよりも手強いですね…💦」
などと声をかけられたりもしました。
2人でお部屋を借りて遊んでいると(Tちゃんは1人で遊んでいるが…)外から見える窓を隠して中の私達の様子が見られない様にしたり、時間が来てお片付けをお願いしても、手当たり次第オモチャを投げてきたりします。
皆んなの元へ戻ると、職員さんの見ていない隙に自分よりも小さい子を蹴飛ばしたり叩いたりしています。
この頃の私は当初の「遠慮」のような?「お客さん感覚」は捨て、ダメな事はダメ!!と努めて注意するようにしていました。
なぜなら、今までのTちゃんを分析、目の当たりにし、家に入った時これからたくさん注意する事になるだろう。と予想がついたので、乳児院にいる時から少し慣らそうと考えていました
前々回のお話の通り、職員さんから見たら「まだ叱れる関係では無いのに…」と思われていた事でしょう。
まだオムツのTちゃんを周りの人は「オムツを取るのは急がないでいい」と言われました。
乳児院の子供達には小さな便器の乳児用のトイレしか有りませんでした。
私達が使う「普通サイズのトイレ」をTちゃんは見た事が無いのです。
これがどう言う事か。。。
「家の玄関」も「キッチン」も「携帯電話」も
「ソファー」も「ネコ」も「パパ」も
「おばあちゃん」も「スーパーマーケット」も
「大人の体」も「乳児院以外の子供」も…
乳児院以外の外の世界を生まれてから全く知らない子なのです。
全て絵本と子供番組の中の話です。
教えなければいけない事が本当にいっぱい有りました。
そんなこんなで、2ヶ月過ぎた頃Tちゃんを実際に家で遊ばせて慣らすと言う段階まで進みました。
前日から、好きそうな食べ物を用意し、一度乳児院に私1人でお迎えに行ってから自宅に連れて来ました。
車に乗せる事自体が不安だった為、数日前より車にチャイルドシートを設置した上にミニーちゃんのぬいぐるみを座らせて、何度も見せておきました。
功を奏してか、大人しく車に乗ってくれました。乳児院では郵便屋さんのバイクの音、走る車の音でさえも「怖い!」と言っていたりガスの点検の男性を見ては「怖い!」と言っていたので、まずはホッとした事を覚えています。
家に着き、玄関で靴を脱ぎ、用意しておいたオモチャで遊ばせてから、昼食にしました。
その中の一皿に、柔らかいお肉を焼いて千切りキャベツに乗せておいた、大人2人前程度の量を1人で平らげた後、なんと!大皿を両手で持ち上げて肉汁を飲み干したのです。
まるで…お相撲さんの昇進した時に交わす酒杯の様でした。
その日は初めて対面💦の主人も一緒で怖がらない様に静かにしていたのですが、Tちゃんのワイルドすぎるその姿に、目を合わせ言葉が出ませんでした。
その後、グラタンやスープ、焼きそば、デザートのプリンも1人で全てを完食。とても3歳の子の量ではありません。大人2人と子供1人分の量でしたから。
あ、「過食だ」と気付きました。
その後Tちゃんは「オフロハイリタイ!」と言いました。
初めてのお家、初めて見る里父、初めての味の後に「オフロ」です…
若干ビックリしましたが急いでお風呂の準備をし、Tちゃんは裸んぼになって湯船に入りワニ泳ぎをしています。
色んな事が予想外でしたが、Tちゃんはとても「楽しそう」に見えました。
約束の時間に乳児院へ送り届ける道すがら「また遊びに来る??」と聞くと「また遊びに行く!!」と言ってもらえました。連日、とてもクールなTちゃんがやっと少し反応し、こっちを向いてくれたかもしれない(と思いたい)一瞬でした。
※これは後から考えたらまだ、相手が私だからと言うことでは無く、単純に遊びに行きたい!と言う願望だけだったと気付きましたが…
ああそうか……
Tちゃんは湯船に1人でワニ泳ぎしたかったんだ
興味津々、やってみたい触ってみたい!そんな年齢になってるんだな。
色んな味を教えてあげたいな
色んな場所へ連れて行ってあげたいな
色んな事をやらせてあげたいな
早く家に来ないかな
と思うようになっていました。
それをするのが偶然か必然か、私でそれらを1つ1つ体験してみたり、極々普通の生活をしていきながら、だんだんと里親になって行ったりするのかな…と気づいていきました。
最後までお読みいただき、有難う御座います。
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