3歳児里子の初めての委託経験と里親として感じた孤独 3歳児里子の初めての委託経験と里親として感じた孤独

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3歳児里子の初めての委託経験と里親として感じた孤独

最終更新日2023.06.21 公開日2023.06.21

はじめに

「養育里親」をスタートしたのは今から2年前。現在5歳の女の子Tちゃんと新米里親の「リアル」奮闘記です。

興味本意の方、里親考え中の方、その他そうでない方に少しでも知って頂き、お役に立てれば幸いです。

お別れの日のTちゃんはCOOLだった

今まで通り、なかなか「懐かない」「心を開いてくれない」3歳10ヶ月のTちゃんとの交流もTちゃんとのある一定の距離感にも、だんだん慣れてきた頃に何回かの「外出」の後、ついに我が家へ来る日程が決まりました!!!
本来ならば、お試しのお泊りも有るそうですが、コロナの影響も有ったのか、それも無くなりました。

当日、私は「いよいよこの日が来た!!」と言う嬉しさと、「大丈夫なのだろうか…」という不安の半分半分でした。主人もきっと同じ気持ちだったと思います。

当日のTちゃんは、お洋服を自分で選ばせてもらったものの…どうやらミスマッチなチョイスだったらしく、職員さんに何とか説得され本人が納得して着替えるまで、とても時間がかかったと言うハプニングが有りました笑

いよいよ慣れ親しんだ、乳児院とのお別れです。私は「やっぱり行きたくない」って言うかなあ…泣いちゃうかな…などと考えていましたが、取り越し苦労。
先程着替えたカワイイ服にメルちゃんを片手に抱いて小雨の中を職員さんの目も見ずに
「…バイバーーイ!!」と、1人で靴を履きスタスタと歩いて行ってしまいました💦

Tちゃんは、別れを惜しむ職員さんを横目に1人で小雨の中を歩きたかったのでしょうか。相棒のメルちゃんを小脇に抱え機嫌良く♪私が追いかける形で乳児院を後にしました。

家に慣れないTちゃんは「伝える」事が苦手だった

Tちゃんは当初「眠らない子」で夜中にソーっと1人起きては暗い中ガサゴソとオモチャで遊んでいたり、そうかと思えば、わざと?大きな音を立てて私達を起こそうとしたり?気を引こうとしているかの様な?行動が2ヶ月間続きました。

寝不足も続きましたが、それより何よりも1番に困った事はトイレです。
ある日、主人が朝早くに私の枕元に来てこう言いました。
「あのさ、覚悟して下に降りてきて!」と。

何事かと思いながら、一階へ行く途中の階段からプーンと…嫌な予感は的中しました。なんと、手足、髪の毛、トイレの便座から壁、床、ソファーとウンチが擦り付いていたのです…💦

どうやらウンチをオムツでしてしまったもののそれを隠そうと?トイレに捨てたりと、試行錯誤したようです。

何故、隠そうとしたのか。良く無い事だと考えたからこそ、隠そうとしたのだと思いますが、勿論、ウンチをしてしまった事、隠そうとした事が問題では無く…

Tちゃんは「トイレに行きたい」「ウンチが出たよ」「オシッコが出たよ」「〜だよ」などの主張や、こどもが親に当たり前に訴える言動のほとんどを、自分の口で言えなかったのです。言わなかったのかもしれません。

便器にはトイレットペーパーがギュウギュウに詰まっていました。その後、猫達とおもちゃで遊んでいたのです。

乳児院からの生活で、時間になったらオムツを替えてもらって…と言うリズムの中で必然的に自分から伝えなくとも事が運ぶ?様になっていたからなのかもしれないし、それを学ぶ機会も無かったのかもしれません。

怒られると思ったのかもしれません。本当の理由、原因は分かりませんが。

そのウンチ事件は2日連続で起こりました。朝方?夜中?にソーっと起きてはなすりつけ笑、そのまま遊ぶ為、ソファーからカーペットまでウンチやトイレットペーパーだらけでした。

トイレを教える為、私が見守っていても、便器の隣に立ったと思うと、わざと?立ったままオシッコをしたりしていました。

家庭生活を覚えてもらうと言う事

家庭生活を覚えてもらうと言う事

言っても言っても分かってもらえず、心も通じ合えていないこの時期は、まずお家でのルールを理解してもらう事、「何でも里母か里父に言う」を分かってもらえる様になるまで少し大変でした。

この辺りで初めて「家庭で育つ」事の大事さを見にしみて痛感しました。生まれてから3年以上を乳児院のみで生活すると言う事。時間ごとに交代する職員さんと、その場その場で生活してきたので、ずっと一貫して見守る大人が居なかった事は非常に大きいなと感じました。(もちろん、職員さん達はとても大切に接してくれていましたし、乳児院だからこその集団生活で学んだ事も沢山有ると感じます!)

ただ、本人としては意識はしていないでしょうが、本当の意味で心を許せる相手は居なかったんじゃないか…と勝手に想像してしまいました。

悩んだ時に支えてくれてる先輩里親からの言葉

この頃、Aさんにこう言われた事があります。(Aさんは色々な里親、里子を知る経験豊かな方です。)

「Sさん(私の事)、これから色んな人がああした方が良いこうした方が良いとか、色んな事言ってくると思うけど、Sさんの思った考えでやりなよ。でも、困ったら言ってね!」と。
この言葉が、私にとって非常に有り難く御守りの様に、私を何度も救ってくれる事になります。未知の経験に私は、もちろん不安では有りましたが、何故か…

「これ(里親)をやらなければ死ねない」笑と、何の根拠も無く…でも、心からそう信じ里親としてのスタートを切ったことを覚えています。

里親は何が孤独か

この頃、周りの人に沢山相談をしていました。「こどもなんて皆んなそうだよ!」「こどもだから当たり前だよ!」などなど言われました。
違う違う!そうじゃなーい♪違うんです。

私達の問題はもっと別の所にあって、それを上手く伝えること事態も非常に難しかったです。

まず、こどもと信頼関係は無いのですから、こどもももちろん「この人に言う」みたいな気持ちも無意識でしょうが無いですし、そこからのスタートでした。

私は苦しい時、分かってくれそうな誰かに、ややムキになりながらも笑 打ち明け話をした事も有りましたが、相手の反応は今ひとつだった事も多くありました。

そんな時つい、SNSの中に救いを求めてみても
「自分が選んで始めた事でしょ」→たしかに…。
「里親なんておこがましい。」→力量不足ですみません…。
「里親手当もらってるくせに」→まあ…たしかに… ◯✖︎△
など、どんどん嫌な言動が目に入ってきます。

そもそも、まだまだベールに包まれているであろう、里親が愚痴を言う事はタブー視されていると感じる中で本当の、本音を言える相手はどのくらい居るのでしょうか…。嫌な言動を発信している人達は本当に里親制度を理解してるのでしょうか

こう言う気持ちの時、あのAさんがくれた言葉を何度も心の中で唱えました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!😊

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