どんな子が来るのかな?4歳の男の子を養育した人生初の里親体験 どんな子が来るのかな?4歳の男の子を養育した人生初の里親体験

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どんな子が来るのかな?4歳の男の子を養育した人生初の里親体験

最終更新日2023.07.12 公開日2023.07.12

「どんな子が委託されるんだろう?」

里親さんの年齢や家庭状況などで、受託する里子の性別や年齢等、ある程度の条件や希望を出せたとしても、性格までは希望は出せませんし、暮らしてみなければわかりませんよね。


どんな子なのか、とっても気になるところで、ワクワクドキドキ、ハラハラ!?ではないでしょうか?


少し暗い内容にはなりますが、色んな障害を併せ持つ、我が家の里子の話をご紹介します。


参考になれば幸いです。

はじめに

私たち夫婦には、男の子2人、女の子1人の実子がいます。
(長期の里子が初めて委託された時の実子の年齢は、高1、中2、小5でした)

子どもが虐待死するという悲しいニュースを目にし、何かお役に立てないものだろうかと、夫婦の気持ちが揃い、里親になる決意をしました。

我が家の里子

我が家で初めて受託したのは、4歳の男の子でした。
(以下、里子をRくんとします)

乳児院、養護施設で4年間のほとんどを過ごしました。
その4年間のうちの数ヶ月、家庭復帰をした時に、実親からの虐待を受けた被虐待児です。

委託時、発達の遅れありとのことで、お話は聞いていましたが、後にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD、愛着障害の診断を受けました。

知的にも遅れがあり、現在は小学校で、支援学級に在籍しています。
我が家のR君、委託当初の暗いお話

我が家のR君、委託当初の暗いお話

実は我が家、特例!?なのか、マッチング0日でした(笑)
(マッチングとは、里子と里親の相性を見極めるために交流する事です。数時間遊んで過ごす事から始まり、最終的には里親宅にお泊まりしたりと、じっくり様子を見ていきます。私が研修を受けた施設の方のお話では、平均半年くらいかけることが多いと聞きました)

と言うのも、後から知ったのですが、マッチングを兼ねた一時保護だったようです。
それくらい、緊急案件だったのでしょうね。

マッチングがないことに戸惑いましたが、我が家にとって最初の委託でもあり、ご縁がある子を受けようと思っていたので、初めから長期で養育するつもりで受託しました。

しかしながら、私のやる気はあれよあれよと、なくなってしまったのです(笑)
委託当初、本当に本当に振り回され、疲弊しました。

以下は、当時書いたそのままの文章です。
あえてそのまま、お読みいただこうと思います。

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優しく言ったら聞き流す。
強く言ったら癇癪を起こす。

叱られたという負の感情しか残らず、なぜ叱られたのか覚えていない。
叱られたことを人に話して、「かわいそうでしょ?」と同情を買う(これが一番腹立つ)

何が理由で叱られたのか、わかりやすく説明しても聞いていない。
はい。はい。はい。と返事だけして、聞き流す。

日々の試し行動と、虐待による再現行動なのか、叱られたことによって抱いた負の感情の発散なのか、自分より弱い、または優しい人に当たり散らす。
我が家では、先住わんこさんと、優しいばぁばに。

傷付けられた子は、人を傷付ける。

ブルーハーツの、トレイン・トレインをいつも思い出す。
【弱い者たちは夕暮れ 更に弱い者を叩く】

更に、こちらの都合や気持ちなど、一切お構いなしの、愛着障害によるつきまといと、不適切な行動を起こしてのアピール。

本人に罪はないが、心がついていかない。
逃げ場がない。

「しんどいです」と話をすると
児相は、「レスパイト(※1)を受けてください」という。

先輩里親さんは「息抜きをしてください」という。

レスパイトを受けたとしても、息抜きをしたとしても、根本の解決にはならないんじゃないの?
レスパイトを受けて、また他の人に預けられることで、愛着障害の彼は更に不安定になり、少ないながらも積み上げてきたものが崩れ、更に後退するんじゃないの?

後退するくらいなら、私が我慢した方がマシ・・・。

あの手この手の試行錯誤も、パワーがないとできない。

「この子のために」
という気持ちがないとできない。

愛着障害、発達障害、被虐待の3点セットの対応の仕方なんか、どの本にも書いていない。

どうするのが正解なのか、未来が見えたらいいのに・・・。
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まとめ

暗い内容をお読みいただきありがとうございました。

彼の命の叫びに、耳を塞ぎたくなる日々でした。

今振り返ると、愛着障害の知識のなさが、R君との関係作りをこじらせたと思います。
私の場合、愛着障害の対応の仕方を学んだのは、散々苦しんだ後でした。
愛着障害の知識は必須で、学んだとしても、いざ実践するのもなかなか難しい(汗)

私と同じように苦しんでいる里親さんがいたら、『一人じゃないよ』と伝えたいです。
共感してもらえる仲間に出会えるのが一番ですが、里親サロンでもなかなか出会えなかったりします。
私がそうでした。


どうか、一人で悩まないでくださいね。
すでに養育を頑張っておられる里親さんは、たくさんの人にSOSを出してください。

これから目指す方は、里親になるのを躊躇してしまったかもしれませんが、私みたいに知識不足で苦しまないように、愛着障害の本を読んでおくと良いと思います。

※1:レスパイトケアとは、一時的な休息を必要とする場合に、乳児院、児童養護施設または他の里親等が子どもを一時的に預かる制度です。詳しくは「里親制度におけるレスパイトケアとは?目的、課題を解説」もご覧ください。

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