子どもアドボカシーを行ううえで、子どもの良きパートナーになるために大切なことは
子ども自身が教えてくれます。
子どもアドボカシーの実践に興味がある方に向けて、子どもが望むアドボカシー(望まないアドボカシー)、子どもアドボカシーの目的、理想的なケアの形などについてわかりやすく紹介します。
子どもが望むアドボカシーには、主に以下のような特徴があると考えられています。
・怒らない人
・優しい人
・子どもと同性の人
・子どもと同じような環境で育った人
・最後まで話を聴いてくれる人
・秘密を守ってくれる人
・ゆっくり聴いてくれる人
・明るすぎず暗すぎない人
これに対して、子どもが望まないアドボカシーの代表例は、以下のとおりです。
・怖そうな人
・「〜〜したら?」と提案、要求する人
・子どもが生活する施設のことを知らない人
・自分の意見を押し付ける人
・話したことを他人に言う人
・何度も聞き返す人
・意見が変わる人
・担当が頻繁に交代する
上記の意見をサポートに反映させることで、子どものよきパートナーになれるよう努めることが大切だといえます。
また、子どもの声を聴くタイミングを考えることも大切です。具体的には、行政が親と離れて暮らすことを判断して措置を講じた子どもの話を聴くだけでなく、その措置が解除された後の子ども(若者)の声も聴いて政策に反映させます。
これにより、その子どもの措置やケアプランだけでなく制度自体にも参画でき、マクロな視点から子どもの声を尊重することにつながります。
子どもアドボカシーの目的は、「子どもの声の尊重を通じて、子どもの権利を擁護すること」にあります。これを実現するために、子どもアドボカシーでは、「個別的」「集団的」という2つの方向からアプローチを取ることが求められます。
まず、個別的アドボカシーでは、以下のような取り組みを通じて、子どもが育ち、巣立つ基盤を構築します。
・ケース:自分の人生をコントロールする
・申立て:権利侵害事案の早期発見・早期対応
・環境:安心・安全・健やかな居場場をつくる
そして、これを集積し、以下のような集団的アドボカシーの取り組みにつなげて当事者視点の施策の実行を図ります。
・ミクロ:ケア実践や家族支援に子どもの声を反映する
・メゾ:コミュニティへの参加、多機関連携への反映
・マクロ:国・自治体の政策制度への子ども・若者の参画
人権アプローチから考えると、ケアは相互行為であることが理想的です。これは、「ケアをする権利」「ケアをすることを強制されない権利」「ケアを受ける権利」「ケアを受けることを強制されない権利」が認められることを意味します。
上記を踏まえて、子どもアドボカシーを通じてよい支援を行うためには、前提として支援者自身が権利に目覚め、その意識によってエンパワメントされている(自身や能力を付けている)必要があると考えられています。
別の言い方をすれば、自分も相手も大切にし、「私は全てを自分で決断し、他の人にもその権利を認めている」という姿勢を取ることで、よいパートナーシップの構築につながると考えられているのです。
参考:上野千鶴子「ケアの社会学ー当事者主権の福祉社会へ」(2011年)
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