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里親としての子育てに必要なスキルとは?支援機関・活動例を紹介

最終更新日2022.02.03 公開日2022.02.03

里親としての子育てには、さまざまな困難が立ちはだかるため、やむを得ず途中で諦めてしまう方も少なからずいます。里親として十分な子育てを行うには、知識面や情緒面でのスキルアップが求められるのです。

 

里親制度の利用を検討している方に向けて、求められるスキルや、それを身に付けるうえで役立つ支援・活動の例をまとめました。

 
 

里親としての子育てに必要なスキルとは

里親としての子育てにおいては、通常の子育てのようにうまくいかない場面が多く、さまざまなスキルが求められます。里親としての子育てに必要なスキルの例を挙げると、以下のとおりです。

 

・子どもの発達の課題から出る行動に対処するスキル

・複雑な感情をコントロールするスキル

 

実際、上記のような子育てのスキル不足を主な理由として、およそ4人に1人の里親が委託後1年以内でギブアップしている事実が問題視されています。

 

ただし、反対にいうと、里親として活動するために必要なスキルや知識が備わってさえいれば、実際に子育ての経験がない方であっても里親になることが可能です。



普通の子育てとの最も大きな違い「実親の存在」

普通の子育てとの1番の違いは「実親」の存在です。どれだけ我が子として育てている気持ちがあったとしても、実親の親権にはかなわない場面が多々あります。


例えば、里子の運動会に、突然実親から「見に行きたい」と言われたとします。「里親は来ないでほしい。でも弁当は持たせてほしい」。実親からそう言われると、やりきれない思いがあったとしても里親はお弁当を作ります。

また、里子に水疱が出てきたので病院に連れて行ったら、「前にも水疱瘡、かかっていますか?お母さん?」と聞かれて答えられなかった。


上記はあくまで例ですが、 里親ならではの「しんどさ」というのは、暮らしの中に散りばめられていて、致命傷があるわけではないのですが、それが積もると抱えきれないほどのストレスになってしまうこともあるのです。



里親の子育てスキルを身に付けるための支援機関・活動例

里親としての子育てに必要なスキルを身に付けてもらい、途中でギブアップすることなくさらに質の高い養育を行ってもらえることを目指し、最近ではさまざまな機関が支援を提供しています。

 

ここでは、代表的な支援機関および活動の例として、以下の2つを紹介します。

 

・日本子ども支援協会

・ナイス!な親プロジェクト

 

それぞれの支援機関および活動内容を把握し、里親制度の利用を検討する際にお役立てください。

 

■日本子ども支援協会(里親のスキルアップセミナー)


日本子ども支援協会では、里親のギブアップを減らしつつ、質の向上を図るために、「里親のスキルアップセミナー」を開催しています。


日本子ども支援協会の主催する本セミナーでは、ケーススタディを用いながら、知識面のみならず感情のコントロールにもアプローチを行っています。なぜなら、里親としての子育ての質を向上させてギブアップ率を低下させるには、知識面のみをサポートする研修では不十分で、さまざまな場面で感情をコントロールするためのスキルの向上が必要だと考えているためです。


また、従来の里親研修には「会場が遠い」「参加費を払えない」などの理由で参加できない人も多くいましたが、日本子ども支援協会では、これを解決するために完全オンライン・無料でのセミナー開催とし、一人でも多くの里親のスキルアップを図っています。


日本こども支援協会が主催する研修の詳細は、オンライン里親会「ONE LOVE」にて共有しています。ぜひお気軽にご参加ください。


ONE LOVE


■一般社団法人グローハッピー(里親の子育てスキル12カ条)

一般社団法人グローハッピーでは、中野区の里親と子育て中の親が活動しており、「ナイス!な親プロジェクト」を通じて、子どもの意見を中心に里親の経験・専門家の知見などをもとに、里親に必要な子育てスキルに関する検討が行われています。

 

このプロジェクトは子どもの意見をまとめる「こども会議」と、里親と専門家からなる「おとな会議」の2つで構成されており、おとな会議において「里親の子育てスキル12カ条」がまとめられています。具体的な内容は、以下のとおりです。

 

1.子どもの目を見て、優しく話を聴く。話の内容を覚えている

2.里親が自分の感情の動きを知り、ケアする知識とスキルを持つ

3.子どもの意見なしに物事を決めない

4.いつも言葉や態度で「あなたが大好き」と伝える

5.自分や状況に合ったサポート、資源、仲間に支えてもらう

6.なにげない日常、ありのままの姿をみせる

7.間違いを素直に謝れる

8.子どもとうまくいかない時の解決策3ステップを知っている
 (まずお腹を満たす・スキンシップで心を満たす・言いたいことを書いてみる)

9.子どもの「ウソ」や「試し行動」には、理由があるということを知る

10.子どもの挑戦を応援し、一緒に考える

11.子どもを信じて待つ

12.つらい時、怒っている時も、笑えることがあったら笑っちゃおう

 

上記はあくまでも一部の里親たちの考えをまとめたものであり、里親として成長していく中で考え方は変化するかもしれませんが、里親として子育てを始めていく際の指針として参考になるはずです。


参考:公益財団法人 全国里親会「里親だより 2020冬号 第123号」令和2年2月20日

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