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バイスティックの7原則とは?必要性、それぞれの内容を解説

最終更新日2023.07.06 公開日2023.07.06

バイスティックの7原則は、アメリカの社会福祉学者バイスティック氏が定義した対人援助に関わる基本技術です。介護や保育の現場などでよく活用されていますが、里親養育にも通用します。子どもとの関係で迷った時など、自分の態度や発言をこの7原則に沿って深く振り返って点検してみると、いろいろな気づきがあって役立ちます。

そこで本記事では、バイスティックの7原則の概要や必要性、それぞれの内容をわかりやすくまとめました。

バイスティックの7原則とは

バイスティックの7原則とは、アメリカのケアワーカーであり社会福祉学者のフェリックス・ポール・バイスティック氏が提唱した相談援助技術の基本原則のことです。この考え方は、1957年に出版されてベストセラーを記録した学術書「The Casework Relationship(ケースワークの原則)」において紹介されました。

翻訳の仕方によっては「バイステック」と記載されていたり、「バイスティックの7つの原則」とされていたりすることがあるものの、いずれも同じものをさしています。

バイスティックの7原則は相談援助機関の対人援助において、より良い関係を築くための行動規範としてまとめられたものです。現在では里親養育だけでなく保育や介護職などでも活用されており、介護福祉士の国家試験でも出題されるなど、重要な考え方であると認識されています。

必要性

バイステックの7原則を理解しておくと、援助者としての基本姿勢を振り返れるだけでなく問題点も探せるため、関係の構築やケア方法の改善につなげられます。

里親養育の現場にバイスティックの7原則を取り入れることで、子どもと援助者の間では以下のような相互作用が生まれると考えられています。

⚫︎子どものニーズを把握→「1人の人間として認めてもらいたい」「自分で意思決定をしたい」「否定されたくない」などといった子どもの思いを知れる。

⚫︎支援者による反応→援助者が子供に「私はあなたの思いを理解していますよ」「あなたを受け止める準備はできていますよ」と反応を示せる。

⚫︎子どもの気づき→支援者の反応に気づいた子どもが行動を起こす。

それぞれの内容

それぞれ以下のように定められています。

 個別化の原則 子どもの抱える問題は一人ひとり違い、同じ問題は存在しないという考え方。自分の経験に頼ったパターン化・カテゴライズ化を防止できる。
 意図的な感情表現の原則 子どもの自由な感情表現を認めること。とくに里子の場合、安心して感情表現することが重要であり、そのための環境・雰囲気づくりの整備も大切。
 統制された情緒的関与の原則 子どもの感情に必要以上に巻き込まれないこと。共感は推奨される一方、相手の感情にひきずられて必要以上に自分が落ち込んだり、不安定になったりしてはならない。
 受容の原則 子どもの考えや個性などに対し、ありのままを受け入れ理解すること。
 非審判的態度の原則 子どもの行動や考えに対し、自分の基準で一方的に判断しないこと。
 自己決定の原則 何かを決める際は子ども本人に決めさせること。
 秘密保持の原則 子どもとの秘密を守ること。子どもだからといって甘く考えないこと。

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