受験勉強や習い事、スポーツなどにやる気がないように見える子どもにいら立ってしまい、つい暴言をはいてしまったり手を出してしまったり、なんてひどい親なのだろうと自己嫌悪に陥る方は少なくありません。
競争主義的な教育環境では、教育熱心な親ほど教育虐待への道に進んでしまうおそれがあります。そこで本記事では、教育虐待について把握しておきたい方に向けて、概要や陥る際に見られる予兆、典型的なパターンなどを解説します。教育虐待を事前に防げるよう、教育熱心との境界も知っておきましょう。
教育虐待とは、受験の成功や成績向上などのために、親が暴力や暴言を用いて子どもの気持ちを無視して行う教育のことです。最近、教育虐待に関する本も数多く発行されるなど話題になっています。教育虐待は里親家庭でも起こり得るため、注意しておきましょう。
ここでは、教育虐待の予兆とされている親の子どもに対する意識として考えられているものを3つピックアップし、解説します。
1つ目は、「あなたのため」です。このフレーズの前提には「どうせあなたはわかっていないのだから、親である私が決める」という考え方があり、子どもの意志に反することも「あなたのため」だと考えてしまう危険性があります。
2つ目は、「よい教育を与える」です。よい教育・悪い教育といったものがあり、どこかに理想の学校があると思い込んでしまう親も少なくありません。手が届きにくい学校こそがよい教育をしているという漠然とした思い込みから、こうした学校に入学できるように教育虐待の道に進んでしまうことがあります。
3つ目は、「子どもの選択肢を増やしたい」です。この意識を持つ親は、「もう少し頑張ってよい学校にいけたら選択肢が増える」という理屈で子どもに勉強させます。しかし、この行いは、子どもの選択肢を増やすように見せて、実は減らしてしまうこともあるのです。このように、どうしてもこの学校に行かなければならないという強迫観念が教育虐待につながってしまうケースもあります。
どのような親の行動が教育虐待に該当するのか、以下に教育虐待の典型例を挙げました。
リストの最後に取り上げた「子どもの自尊心を傷つけるようなこと」とは、例えば以下のような発言です。
・なぜ15点も間違えたんだ
・努力が足りないから100点をとれないんじゃないか
・なぜこんな簡単な問題が解けないの!
・〇〇中学(高校)に合格しなければ、うちの子ではありません
・最低でも〇〇大学に行きなさい
・1番になれ
・親の言うことが聞けないならば出ていけ
「この子のために」「将来幸せになるために」という思いがエスカレートすることで、「あなたのために言っているのに……なぜ親の言うことが聞けないの!」という教育虐待に発展してしまうことがあります。
教育熱心と教育虐待の境界は、「それが子どもに受け入れられているかどうか」だとされています。それを子ども側から見たときにやりすぎになっていれば、教育虐待の状態に陥っています。
教育虐待を行う親の多くは「子どものことが好きだ」「愛情をかけたくて仕方がない」「自分は教育熱心でやってるのだから虐待と言われたくない」といった気持ちがあります。しかし、その熱心さを受け入れるかどうかは、受け止める子ども側の問題です。
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