無園児とは、保育園や幼稚園に通っていない小学校就学前の子どもたちのことです。虐待などのリスクが高いため、政府ではこども家庭庁の政策として、家庭訪問や困り事の把握、保育所での定期預かりの試行など本格的な対策に乗り出している状況です。
そこで本記事では、無園児とはどういった子どもたちなのか、無園児の数や生まれる背景を紹介します。
参考:公益財団法人 全国里親会「里親だより2022秋号 第134号」
無園児とは、主に子育て支援団体などによる、未就園の子どもに対する呼称です。無園児という名前には、地域で孤立して縁がない・支援がない状況に陥るおそれがあるという意味合いが込められています。
義務教育が始まる前の子育て環境には様々な状況があります。一方で、家庭での養育を積極的に選択する親もいますが、これと反対に育児施設を利用したくても利用できない子どもたちも少なくありません。
保育所や幼稚園に通わない「無園児」となると、親子が周囲とのつながりを持ちにくくなります。この状況は、親にとって育児の負担を増加させ、結果として虐待のリスクを高める可能性があると指摘されています。
厚生労働省のデータによれば、2019年度時点で、保育所、幼稚園、認定こども園に通わない0歳から5歳の子どもが日本国内に約182万人います。ただし、この数には認可外の保育施設を利用している子どもも含まれているため、正確な状況は明らかではありません。
また、過去15年間に報告された重大な児童虐待事件は約300件あり、その大半は0歳から5歳の子どもたちに関するものです。
共同通信の分析によると、このうち新生児の遺棄を除く231件のうち、保育所、幼稚園、認定こども園に通っていない「無園児」が被害に遭ったケースが152件、約60%を占めています。さらに、43件(約20%)では、園に通っていないことと虐待との関連性が指摘されています。
参考:山陰中央新報デジタル「論説 「無園児」と虐待 かけ声倒れにするな」
無園児が生まれる背景には、以下のようなものがあると考えられています。
・通わせたいけれど、施設に空きがない
・保育園や幼稚園に入れるためのお金に余裕がない
・子どもの発達に問題がある
・親としての責任の放棄や虐待のような行為がある
近年は保育園や幼稚園に通わせたいものの、定員がいっぱいで空きがなく無園児になってしまうということも少なくありません。自分の教育方針に沿うような施設に空きがない場合には、あえて違う保育園・幼稚園に通わせずに独自で教育していくという親もみられます。
無園児の状態になってしまうと、以下のようなリスクがあると考えられています。
・協調性が身につきにくい
・周囲の子どもたちの輪に入るのが難しくなる
・対人関係などでのマナーが学べない
社会性の観点から多くのリスクがあるため、可能な限り無園児にさせないことが大切です。
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