発達障害のある子どもなどが、通常の学級に在籍しながら、特定の時間に別室で個別指導を受ける「通級指導」、通称「通級」。
国が今年3月に発表したデータによれば、令和3年度には全国で18万人以上の小中学生や高校生がこの通級指導を受けており、過去最多を記録しました。
この記事では、通級指導とは何か、その指導内容や対象となる子どもたちについて、分かりやすく解説します。
通級指導とは、通常の学級での授業や学校生活に大部分参加しながら、一部で特別な指導を必要とする小・中・高校生に対して行われる特別支援教育の一形態です。
授業は通常の学級で受けつつ、障害に応じた特別な指導を「通級指導教室」などの特別な場所で行います。
通級指導教室は、障害の種類ごとに分かれており、在籍している学校に該当する教室がない場合、他の学校に通うこともあります。
この指導は、障害による学習や生活の困難を改善・克服するための特別な支援を提供するもので、児童生徒のニーズに合わせた指導が行われます。さらに、通級指導で得た成果が、通常の学級での授業や日常生活にも良い影響を与えることが期待されています。
通級指導教室の授業は障害による困難がある子どもが、その困難を解消できるようになることを目的としています。
そして、通級指導教室に通う子どもは通常の学級だけでは上手く学べない部分があるため、通常の教育課程を変更したり、追加の授業を行ったりすることが認められています。
通級指導教室に通う生徒は、通常の授業が行われている間や放課後に、通級指導教室に移動して別の場所で指導を受けることになります。
このような背景のもと、通級指導教室では子どもの特性に合わせて個別に最適な指導を行うことが可能となっています。
ここからは、言葉の発達が遅れていて友だちとのコミュニケーションがうまくいかない子どもに対する通級指導の例を紹介します。
まず、保護者や周囲の大人から情報を集めて、その子どもの課題や強みを整理します。その結果、言葉や表情を使って感情を伝えることが難しいとわかることがあります。
実際の指導では、あらかじめ用意したイラストを使って自分の気持ちを伝える練習を行ったり、
子どもが伝えたいことをイラストに描いて、それを教師がホワイトボードにまとめていったりといった方法を用います。
こうした分かりやすい手段を通じて、子どもが相手に自分の考えや感情を伝える方法を学んでいきます。
通級指導の対象となる児童生徒は、以下の9つの障害を持つ子どもたちです。
ただし、知的障害は通級指導の対象には含まれていません。
これは、通級指導が障害の程度が軽度であり、一部の特別な支援によって学校生活に適応できる児童生徒を対象としているためです。
知的障害のある子どもには、生活に直結する具体的な内容を継続して指導する必要があるため、通級指導のような一部のみの特別指導には適していません。
そのため、現在のところ知的障害者は通級指導の対象外とされています。
同様に、「自閉症」の場合でも、知的発達の遅れがない児童生徒が通級指導の対象となります。また、「弱視」や「肢体不自由」であっても、知的障害を併せ持たないことが条件です。
なお、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)は、2006年に新たに通級指導の対象として加えられました。
実際の運営では、自閉症を含む「発達障害」として一括して指導が行われることもあります。
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