「カミングアウト」という言葉はよく知られていますが、「アウティング」という言葉をご存じでしょうか。カミングアウトとは、主に性的マイノリティが自分の性のあり方を自覚し、それを他者に開示することを意味します。一方、アウティングとは、本人の同意なくその性のあり方を第三者に暴露することを指します。
厚生労働省の委託調査によると、カミングアウトの言葉も意味も知っていると答えた人の割合は79.7%ですが、アウティングについてはわずか6.7%にとどまります。この認知度の差はなぜ生じているのでしょうか。また、アウティングにはどのような問題があるのでしょうか。
この記事では、アウティングの意味やカミングアウトとの違い、そしてアウティングを防ぐための対策について解説します。
参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和元年度 厚生労働省委託事業 職場におけるダイバーシティ推進事業報告書」
アウティングとは、ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーなど(LGBT / LGBTQ+)の人々の同意を得ずに、本人が公表していない性自認や性的指向を他人に暴露する行為を指します。これはプライバシーの侵害や個人の選択の自由を侵す問題を引き起こします。
本来、アウティングは他人の秘密を許可なく他人に伝える行為全般を指しますが、日本では特に人のセクシュアリティを無断で第三者に伝えることを意味する場合が多いです。
LGBTQの人が、自らの性的指向や性自認を他者に伝えることを「カミングアウト」と呼びます。これに対し、「アウティング」とは、LGBTQの人の性的指向や性自認を、本人の同意なしに他人が勝手に暴露する行為です。
カミングアウトは本人が自主的に行うもので、法的な問題は生じません。しかし、アウティングは本人の意思に反して行われるため、法的なトラブルを引き起こす可能性があります。
アウティングの認知度が低い理由としては、多くの人が性的マイノリティを身近に感じておらず、アウティングがいじめやハラスメントにつながる問題として認識されていない点が挙げられます。
また、性的指向や性自認の情報は「たいしたことない」「言っても大丈夫」と軽視されがちです。性的マイノリティに対する差別や偏見が根強く残る社会では、「おもしろそう」や「人と違う」というゴシップとして、このような情報が広がることが少なくありません。
アウティングは、結果として被害者の居場所を奪うだけでなく、重大な人権侵害にもつながる可能性があるという認識が広まることが重要です。情報を受け取った側は、それを勝手に第三者に伝えるのではなく、情報共有の範囲について必ず本人に確認することが大切です。
カミングアウトするかどうかは本人の自由であり、カミングアウトの自由を個人の権利として守るために、アウティングはしてはならないという原則を示すことが非常に重要です。
性のあり方は多様であり、すべての人が平等に扱われる社会の実現が求められています。そのためには、性の多様性に対する理解を深め、社会の制度や文化、規範を見直すことが必要です。
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