里親登録すると、さまざまなことで悩みはじめます。子どもはどのようなタイミングとルールで委託されるのか、委託されるとその後の養育についてどうしたらいいのか、など。もっと肝心なこととして、研修などを受けて里親になったのに子どもが委託されないことも多いのです。相談ごとは、もちろん登録の時にお世話になった児童相談所や子どもの委託を担当する職員に相談することになりますが、すべて職員に相談するわけにはいきません。
そうしたとき、同じ里親同士で話し合えるといいですね。一人で悩んでいてらちが明かないときに同じ里親から「私もそうだった」というコメントをもらうだけでも、大きな力をもらえた感じがするものです。そうしたピア・カウンセリング(仲間による相談ごと)のために、里親会が設置されているといってもいいでしょう。里親会の事務局などに連絡して、加入を検討しましょう。
といっても、規約など、地域によってわずかに違いがあります。親族里親の加入を認めないところや活動が停滞している地域もあります。
まず里親会の仕組みですが、都道府県(指定都市)ごとに里親会を設置しているのが一般的です。そして、児童相談所ごとに支部をつくっています。なかには、児童相談所の単位で里親会をつくり、都道府県(指定都市)ごとに里親連合会をつくっているところもあります。
それから、地域の里親会が加入して全国里親会をつくっています。全国里親会は、各地域の要望を取りまとめて厚生労働省に要望書を提出したり、国の動きを地域の里親会に知らせたりしています。
また、都道府県里親会と全国里親会の間にブロックでの活動があります。北海道ブロック、東北地区ブロックなど、全国に8ブロックがあり、年に一度研修会を開催したりしています。
里親にとっての身近な活動としては、児童相談所ごとに設置されている里親会支部の存在でしょう。近くに住む里親の存在は、悩みなどを共有して解決するのに力になってくれるでしょう。近所の里親と話し合ってレスパイト・ケア(預かっている子どもをその里親に預けて休んだり用件を済ませたりすること)を行ったり、里親サロン(里親同士でさまざまなことを話し合う)を開催したりします。
都道府県レベルの里親会は、地域行政に各種の要望をしたり、支部のなかでは事例の少ない悩み事の解決に役立つでしょう。研修会の実施でも、都道府県の里親会であれば専門家などを呼びやすいと思います。
全国里親会は、前述したように地域の里親会の要望を取りまとめて厚生労働省に働きかけます。また、国の動きを地域の里親会に伝えます。全国レベルでの研修会を開催したりもします。
全国里親会は里親家庭を対象にした損害賠償保険の窓口にもなっているので、地域の里親会が会員になることによって保険への加入も可能です(地域によっては独自に損害賠償保険を作っているところもあります)。
里親会の歴史からみると、当初は児童相談所が里親に連絡事項がある場合に使えるということから、児童相談所が率先して作っていったと言えます。そのため、現在でも児童相談所内に里親会の事務所を置き、児童相談所の職員が事務を行ってくれるようなところも多いです。また地域によっては都道府県の社会福祉協議会に事務局を置いているところも多いです。しかし、児童相談所の業務が煩雑なことから、里親会独自で運営するようになってきています。
里親は、里親会の運営をしたくて里親になったわけではありません。ですから、運営に適した人材がいるわけではなく、運営が行き詰まってしまうこともあり得ます。
会員になるという意識より、運営にも協力していこうという気持ちが大切になります。
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