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一時保護とは?目的、児童相談所の機能を解説

最終更新日2022.02.03 公開日2022.02.03

昨今、児童虐待に関する痛ましい事件の報道が目立っており、社会の中から「一時保護の制度を利用しやすくすべき」というような意見が多く寄せられています。


一時保護の制度に関心のある方に向けて、用語の意味や目的、児童相談所が担う機能を中心に紹介します。

 

一時保護とは

子どもの権利の尊重や自己実現にとって明らかに見逃せない状況にあると判断される場合に、児童相談所が子どもを一時的に保護する行為のことです。児童福祉法第33条にもとづき、児童相談所長や都道府県知事などから承認を得たうえで実施されます。

〈一時保護の目的〉

第一の目的は、「子どもの生命の安全を確保すること」です。単純に生命の危険にある場合だけでなく、現在の環境におくことが子どもの権利の尊重・自己実現にとって明らかに看過できないと判断される場合は、まず一時保護を行うべきだと考えられています。

 

一時保護の実施により、子どもへの危険を心配する必要のない状況で虐待を行っている保護者への調査や指導を進められるほか、一時的に子どもとの距離を取らせることで保護者を落ち着かせられたり、援助を始める動機づけにつながったりする場合もあります。

 

また、子どもの観察や意見聴取をする際、安全な生活環境下のもとで、より本質的な情報収集を行える可能性があるのです。

 

以上の理由から、子どもにとって最善の利益を確保するためには、まず一時保護を実施し、その後に虐待の事実・根拠を立証するという方針を取ることが望ましいと考えられています。

 

〈一時保護が必要とされるケース〉

一時保護を行う必要があると考えられるケースは、主に以下のとおりです。


  • ・緊急保護

  • ・行動観察

  • ・短期入所指導




緊急保護には、以下のようなケースが該当します。


  • ・棄児、迷子、家出した子どもなど、現に適当な保護者または宿所がないために、緊急にその子どもを保護する必要があるケース

  • ・虐待や放任などの理由により、その子どもを家庭から一時引き離す必要があるケース

  • ・子どもの行動が自己または他人の生命・身体・財産に危害を及ぼしている、もしくはそのおそれがあるケース


行動観察に該当するのは、以下のようなケースです。


  • ・適切かつ具体的な援助指針を定めるために、一時保護による十分な行動観察や生活指導などを行う必要があるケース


短期入所指導には、以下のようなケースが該当します。


  • ・短期間の心理療法・カウンセリング・生活指導などが有効であると判断される場合であり、地理的に遠隔または子どもの性格・環境などの条件により、他の方法による援助が困難もしくは不適当であると判断されるケース



〈一時保護の期間〉

一時保護は子どもの行動を制限する(例:学校に通えない、現金・携帯電話などの持ち込みを禁止される場合がある)ことから、その期間は一時保護の目的を達成するためにかかる必要最小限の期間でなければならないと考えられています。具体的にいうと、一時保護の期間は2カ月を超えてはならず、例外的に児童相談所長又は都道府県知事などにより必要があると認められる場合は、2か月が経過した後も引き続き一時保護を行えます。


三菱UFJリサーチ&コンサルティングが令和元年度に行ったアンケート調査によると、回答のあった167箇所の児童相談所の⼀時保護所において一時保護された⼦どもの1件あたりの保護日数は、30.3日(2カ月超えの場合は104.6日)でした。


なお、年度中に対応した件数は合計22,114件であり、そのうち2カ月を超えた件数は3,194 件(14.4%)報告されています。


参考:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「一時保護所の実態と在り方及び一時保護等の手続の在り方に関する調査研究 報告書 」令和3年3月



一時保護に関する児童相談所の機能

一時保護は、児童相談所が担う機能のひとつです。一時保護に関する支援は、基本的に以下の流れで進められます。

 

  1. 1. 児童相談所で相談対応・支援を行う

  2. 2. 一時保護を行う(緊急の場合や、家庭にいることが適当でないと判断された場合)

  3. 3. 一時保護所で子どもが生活する

  4. 4. 子どもが家庭に帰る、もしくは施設や里親家庭などに措置する

 

一時保護というと、強制的に子どもを親元から離すようなイメージを抱く人もいるかもしれませんが、親などの親族からの要望を受けて、一時保護を行うケースも少なくありません(例:家族が入院する場合、養育困難な場合)。

 

参考:厚生労働省「 子ども虐待対応の手引き 第5章 一時保護」

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