一時保護所とは、児童相談所に付属し、保護を必要とする子どもを一時的に預かっている施設です。また、今後の養育に備えて、子どもの生活状況の把握や生活指導なども行っています。
一時保護所の概要や課題、入所するための手続き、生活・日課などを幅広く紹介します。
児童福祉法第12条の4に基づき、児童相談所に付設もしくは児童相談所と密接な連携が保てる範囲内に設置されているもので、虐待・置去り・非行などの理由によって一時保護を必要とする子どもが生活を送るための施設のことです。
令和元年度における一時保護所内の保護件数は、下表のとおりです。
総数 |
養護(うち虐待) |
障害 |
非行 |
育成 |
その他 |
27,814 |
22,695(16,853) |
73 |
2,977 |
1,940 |
129 |
〈一時保護所の課題〉
これまで長年にわたり、一時保護所の課題は指摘されてきたものの、対応に遅れが見られるのが現状です。
例えば、近年では、他の子どもとの会話や目を合わせることを禁止されたり、長時間走らされたりするなどの厳しいルールが課せられている一時保護所が取り沙汰されました。また、個人情報交換を防ぐ目的で、一時保護所内に意見箱を設置しないケースも少なくありません。
上記の課題がある一方で、比較的自由な新しい形の一時保護所も生まれつつあります。明石市の一時保護所や江戸川などに新設予定の一時保護所では、子どもが比較的自由に生活を送れるとして期待の声があがっています。
お小遣いの支給、通学・通園のサポート、危険物以外の私物は持参可能、個室化・長期入所の子への外出サポートなどが検討される新設の一時保護所もあり、今後に期待が集まっています。
子どもを一時保護所に入所させるためには、一時保護を開始するための手続きを行います。基本的な手続きは、以下のとおりです。
・児童相談所長により一時保護が決定される
・一時保護部門と密接に連絡を取ったうえで、相談・指導部門により、一時保護が開始される
(速やかに、一時保護の開始の期日・場所を文書で保護者に通知する)
・ 一時保護中に必要とされる日用品・着替えなどの準備を保護者に連絡する
・原則として子どもの入所前に健康診断を受けさせる
・一時保護を行う子どもについて、「子どもの住所、氏名、年齢」「事例担当者、事例の概要」
などの事項を記載した一時保護児童票を作成し、一時保護中に実施する検査などの予定を
一時保護所での生活プログラム内に盛り込めるようにする
その後、入所中の手続きとして、以下のような項目が実施されるのが一般的です。
・担当者は必ず子どもや保護者などに面接し、入所中の生活や注意事項などを説明する
・子どもの所持品を点検し、子どもの持ち物に記名させるとともに記録する
・持たせる必要のないものや、持たせることが不適当なものは一括して記録し、
前者は一時保護部門で保管し、後者は総務部門で保管する
・日用品や着替えなどを持っていない子どもに、必要なものを支給または貸与する
・緊急保護した場合、速やかに健康診断を行い、必要に応じて医師の診察を受けさせる
・所前に健康診断を受けた子どもについても、さらに詳しい検査が必要な場合や、
健康診断後かなりの時間が経過している場合などには、必要に応じて医師の診察を受けさせる
・身体的外傷がある子どもについては、入所時に傷の状況を正確に把握し記録する
入所する子どもは幼児(未就学児)と学齢児(小学生以上)に分けられ、日課に沿った生活を送ります。幼児(未就学児)の日課の一例は、以下のとおりです。
7:00 |
起床・朝食 |
〜 |
自由遊び |
10:00 |
おやつ |
12:00 |
昼食 |
〜 |
お昼寝 |
15:00 |
おやつ |
〜 |
入浴・グループ活動・自由遊び |
18:00 |
夕食 |
〜 |
自由遊び・テレビ時間 |
20:00 |
就寝 |
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