フォスターケアとは?用語の意味、欧米における現状を解説
最終更新日2022.05.16
公開日2022.05.16
日本では1948年に「里親制度」が発足し、厚生労働省が管轄しています。これに対して、欧米では、親権者を実親としたままで、家庭で養育できなくなった子どもを里親が一時的に養育する「フォスターケア」と呼ばれる制度が広く活用されています。これは、日本の養育里親に相当するものです。とはいえ、日本の里親制度と欧米のフォスターケアには相違点も見られます。
そこで今回は、フォスターケアという用語の意味や欧米におけるフォスターケアの現状を中心にまとめました。
フォスターケアとは
フォスターケア(英語:Foster Care)とは、一時的に子どもの養育が行えない家庭の子どもを支援する里親制度のことです。別名、「フォスターユース」「アウトオブホームケア」とも呼ばれています。
家庭でのケアのみならず、グループホーム・施設などでのケアもフォスターケアの範囲に属します。フォスターケアの手配および決定については、地方自治体が連邦・国の法律に定めに沿って行います。
なお、フォスターケアにおける里親は、子どもの毎日の世話をする責任を負うものの、ほとんどのケースで医療上の治療を承認する法的権限は持ちません。地方自治体により異なるものの、子どもに関する一部の意思決定の責任と同意を与える能力については、法廷によって否定されるまでの間、依然として実親にあるのが一般的です。また、多くのケースで、保護下にある子どもに対する医療上の治療の承認や法的決定を下す法的能力については、社会福祉の地方当局(社会福祉局とも呼ばれる)が持ちます。
欧米におけるフォスターケアの現状
フォスターケアは欧米で非常に広く利用されており、中でもアメリカでは毎年約75万人の子どもがフォスターケア制度のもとで養育されているといわれています。
これに対して、日本の里親制度のもとで養育されている子どもの数は2019年時点で7,492人と報告されており、この数値はアメリカのわずか100分の1ほどでしかありません。
こうした背景から、日本と比べてアメリカの里親制度は発達が進んでおり、フォスターケアのもとで養育されている子どもたちの健全な育成に向けて、さまざまな取り組みが行われています。
参考:
厚生労働省「里親制度等について」
日本フォスターケア研究大会について
2014年より、毎年1回12月に、日本フォスターケア研究会の主催で「日本フォスターケア研究大会」が開かれています。最新(2021年12月開催の第8回大会)の開催概要は、以下のとおりです。
・開催日:2021年12月18日 (土) 13:00~17:00
・開催場所 : オリンピック記念青少年総合センター[センター棟3階]
・住所 : 東京都渋谷区代々木神園町 3-1(ZOOMオンラインも実施)
・参加料 :無料(資料代:1,000円)
また、第8回大会の内容を、以下にまとめました。
・自主研究報告 : 「共働き里親調査研究結果概要報告」講師:白井 千晶氏 (静岡大学人文社会科学部 教授
・基調講演 : 「児童福祉法改正の動向 ~子どもの権利保障を目指した家庭養護の推進を中心にして~ 」講師:相澤 仁氏 (大分大学福祉健康科学部 教授)
・ディスカッション :「子どもの最善の権利を守る里親養育!課題と今後の方向性を当事者の里親の視点から」
・分科会 :ユース意見発表、研究発表
詳細は、日本フォスターケア研究会のWebサイトをご確認ください。
ガイドブックをシェアする
フォスターケアとは?用語の意味、欧米における現状を解説|里親ガイドブック
里親を支えるの関連記事
-
里親を支える
CDRとは?歴史や日本での取り組み・今後...
公開日2024.11.15
最終更新日2021.12.20
-
里親を支える
オレンジリボン運動とは?概要や歴史、目的...
公開日2024.11.08
最終更新日2021.12.20