グリーフケア(英語:Grief Care)とは、悲しみや喪失感を支えることです。近年大きく注目されている言葉で、厚生労働省でも流産や死産を経験した女性のケアに乗り出しています。また家族や友人など大切な人を亡くした人が悲しみを分かち合う「グリーフケア」が全国的に広がりつつある状況です。
人間は「生老病死」の宿命から免れることができず、いずれは愛する人の死に遭遇します。配偶者・子ども・両親・兄弟姉妹など、生きる時間を共有してきた大事な人を失うと、深い悲しみに包まれるものです。こうした深い悲しみがストレッサーとなり、さまざまな不調をもたらします。
● 心(精神)的な反応
感情の麻痺、怒り、恐怖に似た不安を感じる、孤独、寂しさ、やるせなさ、罪悪感、自責感、無力感など
● 身体的な反応
睡眠障害、食欲障害、体力の低下、健康感の低下、疲労感、頭痛、肩こり、めまい、動悸、胃腸不調、便秘、下痢、血圧の上昇、白髪の急増を感じる、自律神経失調症、体重減少、免疫機能低下などの身体の違和感、疲労感や不調など
● 日常生活や行動の変化
ぼんやりする、涙があふれてくる、多くの「なぜ」「どうしよう」の答えを求められ、死別をきっかけとした反応性の「うつ」により引きこもる、落ち着きがなく なる、より動き回って仕事をしようとするなど
グリーフケアには明確な方法が定まっているわけではありません。傷ついた心を癒す効果があると言われるものや行動を総称して、グリーフケアと呼んでいます。
グリーフケアの例を挙げると、通夜や葬儀などで悲しい気持ちを心の中にしまい込んで苦しむ人がいるため、きちんと死と向かい合って感情を吐きだすことができるようサポートすることです。また、故人との思い出の品や墓などを心のよりどころとして悲しみを和らげるようにするのもグリーフケアです。
とはいえ、人の心をケアするのはなかなか難しいものです。近年はグリーフケアの専門家が増えてきているため、遺族にそういった専門家を紹介するのもひとつの方法です。
厚生労働省のHPに流産・死産等を経験された人に対して相談支援等を行う都道府県等の相談窓口が掲載されています。例えば、東京都の相談窓口は以下のとおりです。
・赤ちゃんを亡くされたご家族のための電話相談:03-5320-4388
児童養護施設の入所児童は、全てが被虐待児ではなく、少なからず「親との死別」などの理由で入所している子どももいます。子どもだからといって死別体験を理解できないということはなく、大人と同じく愛する人との死別による「悲嘆」を感じるものです。
それは、例えば怒り・悲しみ・後悔・畏怖・茫然とするなどの心理や、不眠・食欲不振で何も食べられないなどの行動として表れますが、病的なことではなく死別を体験した子どもにとっては当たり前の悲嘆反応だといえます。
こうした中で、児童養護施設の保育士や児童指導員がグリーフを抱える子どもへの専門的支援を行っていく必要性は高いです。
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