乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究 【要約①】 乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究 【要約①】

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乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究 【要約①】

最終更新日2022.02.22 公開日2022.02.22

乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究は、厚生労働省の委託を受けた三菱UFJリサーチ&コンサルティングによって、「乳幼児の里親委託推進等に関する調査研究業務」の一環として実施されました。


本調査研究の内容は、大まかに「児童相談所アンケート調査」「関係機関ヒアリング調査」「諸外国における里親等委託率の調査」の3種類に分けられます。本記事より数回にわたって、上記3つの調査内容を要約して取り上げます。

児童相談所アンケート調査

全国の児童相談所に対して、里親業務の実施体制や実施状況・乳幼児の里親委託推進等に関する取組の工夫や課題などを尋ねています。また、里親委託した子ども(0〜3歳未満)に関して、個票形式により状況・支援内容などを尋ねる設問も提示しています。

概要

 

本調査の概要は、下記のとおりです。


  • 対象:全国の児童相談所(220カ所)

  • 実施時期:2020年10月~11月

  • 方法:自治体を通じてメールにより配布・直接回収

  • 回収数:188カ所(回収率:85.5%)

結果【要約】

結果の要約を、5つの項目に分けて取り上げます。

■里親登録の状況
・およそ9割の自治体では、養子縁組里親と養育里親を重複して登録できる。
・2019年度における、新規の「認定および登録里親数」は平均27.5件、取消数は平均10.5件。
・2019年度における、「新規に児童が委託されている里親数」は平均18.0件、「取消された里親数」は平均14.3件。
・2019年度末時点で、「児童が委託されている里親数」は平均64.1件、「認定および里親登録されている里親数」に対する「児童を委託されている里親数」の割合は平均34.5%。
・養育里親数は、「認定および登録里親数」のおよそ8割。

■里親の登録・認定
・里親認定前の研修時間数は、平均25.9時間(多くの自治体で、現場実習に半数以上の時間を充てている)
・里親認定前の研修では、プログラム内容に工夫を凝らす自治体が多い(例:里親の体験談や意見などを交換できる場の設定)。
・養育里親の登録に関して、半数弱の自治体が経済的な制約を設けている(2割前後は、居住面積・部屋数や、単身者に関する制約を設けている)。
・里親の登録希望者を増やすための施策の積極的な実施(例:普及啓発、研修会、リクルート)

■里親支援に関する取組
・専任の職員がいる児童相談所は3分の2程度。
・里親担当職員のうち、児童相談所での合計経験年数が5年未満の人が半数(里親担当延べ経験年数は、平均3.1年)。
・外部機関への委託割合が高い(5割超の)業務は、普及啓発・里親等による相互交流・未委託里親への支援。
・児童相談所における里親業務の工夫例は、里親希望者のアセスメント・委託解除後の里親のフォローなど。

■未委託里親
・未委託里親は1カ所につき平均19.5人(児相間での重複を含む)。
・未委託里親を削減する施策例は、未委託の里親向けのプログラムや短期委託の実施。
・未委託里親を削減する際の主な課題は、現在の里親認定の手続や仕組みの限界・里親の希望と委託される子どものマッチングの難しさ・里親自身の課題(例:高齢化)・実親の里親制度に対する理解不足・人員不足など支援体制に関する課題

■委託中の支援
・2019年度における、保育所等を利用する(2号認定)里親に委託されている子どもは、回答があった中で、54自治体・344人(自治体により大きな差がある)。
・「里親レスパイト※1」に利用日数の制限を設けている自治体は4分の1程度(7日間が多い)。
・「短期里親※2」は、3分の2が活用。
・委託中の里親に対する訪問は、約半数が児相のみで対応。
・委託中の子どもの意見・意向を確認する手段として、多くのケースで担当の児童福祉司が年に1、2回ほど実施。

※1 里親の一時的な休息のための援助のこと。委託児童を養育している里親が一時的な休息のための援助を必要とする場合、乳児院・児童養護施設などに加えて、他の里親を活用して当該児童の養育が行われる。

※2 養育里親として、一定の短い期間養育をすること。「子どもは児童養護施設等に在住し、一定期間預かる」「子どもの人生を丸抱えせずに済む」「養育費を受け取れない」「養育里親と比べると研修制度が少ない」「資格の必要要件は自治体により異なる」などの特徴が見られる。

■里親委託された子どもの状況

  • ・里親に一時保護委託が行われた子どもの大半は「養育里親」で、一時保護委託された子どもの平均年齢は1.0歳。

  • ・一時保護委託の期間は平均32.0日、一時保護解除後の行き先は半数弱が家庭。

  • ・新規に里親委託された子どもの3分の2は、養育里親。

  • ・委託開始時の年齢は平均0.6歳。

  • ・委託の経緯は、一時保護所や一時保護委託先などからが4割。

  • ・家庭復帰が見込めるケースは3分の1ほど。

出典

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