里親と聞くと「長期にわたって預かるのは大変そう」「子どもが大人になるまで育てるのは重荷に感じる」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、2021年4月1日より、「子育て短期支援事業」において里親等に児童を直接委託して実施することが可能となったことで、現在は一定期間中の夜間のみ預かり「トワイライトステイ里親」として養育する形も積極的に活用されています。
そこで今回は、トワイライトステイ里親および子育て短期支援事業の概要、自治体の取組例などを中心に解説します。
トワイライトステイ里親とは、一般的に、平日の夜間もしくは休日に子どもを預かり養育を行う(トワイライトステイ事業を担う)里親のことです。トワイライトステイ事業は、夜間養護等事業として「子育て短期支援事業」の1つに位置付けられています。
夜間養護等事業は、「保護者が仕事その他の理由により平日の夜間又は休日に不在となることで家庭において子どもを養育することが困難となった場合その他緊急の場合において、その子どもを児童養護施設等において保護し、生活指導・食事の提供等を行う事業」であると定義されています。
地方分権改革に関する「令和元年の地方からの提案等に関する対応方針 令和元年 」(12月23日閣議決定)を踏まえて、2021年4月1日より、「子育て短期支援事業」において、里親等に児童を直接委託することが可能となりました。
こうした制度変更により、里親のスキルアップが望めるだけでなく、実施施設で子育て短期支援事業を受け入れることが難しいケースが多く、地域のニーズに即座に応えられていないという現状に対して、児童の受入先を増やすことによる地域の子育て支援における資源の拡充も見込まれています。
保護者の疾病その他の理由により家庭において子どもを養育することが一時的に困難となった場合等に、児童養護施設等において一定期間、養育・保護を行うことにより、これらの子ども及びその家庭の福祉の向上を図ることを目的とする事業のことです。
利用希望者は、実施主体である市町村の窓口から子どもを短期で預けたい旨を相談することで、市町村が認めた者(児童養護施設・乳児院・里親など)に子どもを預かってもらうことが可能です。
この事業の対象者は、以下の事由に当てはまる家庭の子どもまたは母子等です。
最後に、自治体のトワイライトステイ事業に関する取組例を紹介します。
まず、滋賀県大津市では、「利用できるのは、市内に住所を有する小学生で、実施時間は午後6時から午後10時まで、利用期間はおおむね6か月を限度」としています。
次に、滋賀県草津市の場合、「対象児童はおおむね10歳以下、時間は(平日)おおむね午後6時から午後10時、休日は午前9時から午後5時」としています。
このように、同じ都道府県でも市町村によって利用条件が異なります。そのため、利用を検討したら、あらかじめお住まいの市町村の利用条件を確認しておく必要があります。
トワイライトステイと類似する用語に、「レスパイトケア」が挙げられます。
里親制度におけるレスパイトケアとは、委託児童を養育している里親家庭が、一時的な休息のために援助を必要とするケースにおいて、他の里親・ファミリーホーム・乳児院・児童養護施設などを活用して子どもを預けることです。
上記を踏まえると、トワイライトステイでは子育て中のすべての保護者を対象とするのが一般的であるのに対して、レスパイトケアでは委託児童を養育している里親家庭のみを対象としている点に大きな違いが見られます。また、トワイライトステイでは、レスパイトケアとは違い、平日の夜間もしくは休日に限定して子どもを預かる点も特徴的です。
レスパイトケアの詳細は、以下の記事をご確認ください。
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