男女の賃金格差のうち、
出産前後で女性の収入が下落することをチャイルド・ペナルティと言います。
チャイルド・ペナルティは世界中の先進国に共通して見られる現象ですが、
とりわけ日本は顕著だとされています。
チャイルドペナルティは労働所得格差の大きな部分を占めており、
因果関係は未検証ではあるものの、
日本の未婚化・少子化と関連している可能性もあるとされる深刻な問題です。
そこで本記事では、チャイルド・ペナルティとはどういったものなのか、
現状や悩んだときの対処法などと併せて解説します。
チャイルドペナルティ(英語:Child Penalty)とは、
出産や子どもを持つことによって、とりわけ女性に生じる社会的に不利な状況のことです。
別名「母親ペナルティ」とも呼ばれています。
出産や育児によってキャリアの中断や昇格の遅れ、
賃金格差などに直面したり、職場での居場所がなくなったりして、
女性のキャリア形成における大きな障害となっている現状が
社会的な問題として注目されています。
チャイルドペナルティはこれまでにも多く研究されてきましたが、
最近では2019年にアメリカのプリンストン大学の
ヘンリック・クレベン教授が提起した研究により、その認知が進んでいます。
チャイルドペナルティは先進国に共通して見られる現象ですが、
日本では特にその傾向が強いとされています。
「子育て罰」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
チャイルド・ペナルティの日本語訳にあたる言葉です。
子育て罰は、「子供を持つこと・持たないこと」の間にある賃金格差の側面だけでなく、
政治・制度・社会通念などの側面でも、
まるで社会から子育てをすることに対して罰を受けているかのような
苦しい状況に悩まされている人の声を表現した言葉として使用されています。
例えば、母親に偏る家事育児負担、保育園の待機児童問題、
児童手当の所得制限や長時間労働なども、子育て罰に該当すると言われています。
政府は男女賃金格差を含むジェンダーギャップや少子化対策に力を入れていますが、
チャイルドペナルティ解消がそのカギとなる可能性があります。
出産1年前の賃金を基準とした出産前後の男女の賃金推移を見ると、
男性は子どもの誕生後も変わらない一方で、
女性は出産1年後には67.8%減少し、
その後は停滞することがわかっています。
参考:財務総合政策研究所「仕事・働き方・賃金に関する研究会- 一人ひとりが能力を発揮できる社会の実現に向けて」報告書(2022年6月)
チャイルド・ペナルティに悩んだときの対処法を以下の2つの観点から取り上げます。
それぞれの方法を順番に紹介しますので、
これらを踏まえてチャイルドペナルティの回避を図りましょう。
女性が出産や育児とキャリアを両立させるためには、強い意志が不可欠です。
出産は一度決めたらリセットできない大きな決断であり、
産む前からパートナーとしっかり話し合っておくことが重要です。
自分にとって仕事の意味やキャリアアップの目標を明確にし、
出産後もそれらを追求する強い決意を持ちましょう。
パートナーとの協力体制を築くことも重要です。
自分の未来の実現のために、パートナーにどのような協力を期待し、
家庭内の役割分担をどうするかを明確に伝え合うことが、両立への道を開きます。
女性には多くの負担がかかり、
ハードな日々を乗り越える中で心が折れそうになることもあります。
そんなときに自分自身の「強い意志」を思い出し、困難に立ち向かう力を持つことが重要です。
子育て中の女性が仕事に復帰する際、周囲の環境のサポートは非常に重要です。
たとえ女性自身が高い意識を持っていても、小さな子どもを抱えている状態で、
すぐに仕事に集中するのは非常に難しいです。
家族のサポートはもちろん、保育園などの保育サービスがしっかり受けられるかどうかが、
仕事に集中するための重要な要素です。
予定通りに仕事に復帰できるかどうかにも、保育サービスの利用可能性が大きく影響します。
「保活」と呼ばれる保育園探しは、育休からの仕事復帰を左右する大切なプロセスです。
周りの先輩ママや自治体の相談サービスなどを活用しながら、
スムーズに保育園を見つけることが望ましいでしょう。
ガイドブックをシェアする
“心の支え”となるコミュニティ
ONE LOVE オンライン里親会は、里親が抱える日々のつらさやしんどさ、喜びを共有できるコミュニティとしてすべての里親をサポートします。
オンライン里親会は、無料で参加いただけます
メンバー登録をするはじめて知った里親の方へ
ONE LOVE オンライン里親会とは里親や次世代の子どもを支えたい方へ
寄付で支える