・「里親しっかりサポート事業」として、県里親会にコーディネートを委託して、①未委託里親に対する実習(先輩里親・乳児院等での 3カ月間の実習)、②委託に向けた交流中の支援、③里親への訪問支援(先輩里親による定期訪問を里親等相談支援員がコーディネート)、④里親等による相互交流(地域毎のサロンの開催)で構成される事業を実施している。
・この事業では、児童相談所にはわざわざ聞きにくいような日常のちょっとしたことや、児童相談所には相談しにくいような内容も相談でき、里親家庭の希望条件の緩和にもつながっている。また、委託後も何かあったら気軽に聞ける関係が構築されている。
・委託中の里親家庭(養育里親及び養子縁組里親(縁組成立後も含む))を対象とした12回のセッションで構成される「フォスタリングチェンジ・プログラム」(FC プログラム)を実施し、今年度は2~4歳の子どもの委託を受けている4世帯が参加している。
・教材等における場面設定も日本の里親養育の実態に即した内容にアレンジされた内容で実用的な内容で、里親養育に特化したペアレント・トレーニングをさらに深化させた内容である。
・未委託里親の割合が3割弱と非常に高い。
・文書などで年1回調査を実施して家庭訪問の希望などを確認しているが、今年度はコロナ禍の影響で家庭訪問ができていない。
・専門的な養育が必要な場合には施設、そうでなければ基本的には里親、という説明資料を準備中。実親と地区担当児童福祉司が話し合う際に「ファミリーホームや里親への委託を検討したか」というチェック欄が会議資料に追加されたことがきっかけとなっている。このチェックは、「将来の里親への委託を検討する」「実親との交流が途絶え始めたら検討する」といった指針に該当する場合等に記入している。
・民間では児童相談所と里親家庭との中間的な位置づけで役割発揮をしてもらっており、里親業務の円滑化に大きく寄与している
・養子縁組里親の登録前研修として乳児院での実習を義務付けており、里親支援専門相談員がその段階から里親家庭に関われるため、委託後も関わりやすい。
児童相談所との連携は円滑であり、児童相談所の里親係と里親支援専門相談員3名との会議を毎月開催している。また、フォスタリング機関と乳児院の里親支援専門相談員とは、行政が主催する定例会はないため、それぞれの取組紹介として年2回程度の情報提供の機会を設けるなど、民間同士で定期的に話し合える場を作り、情報共有を図っている。
・できるだけ里親家庭に子どもを預ける方針を徹底しており、短期間でも里親家庭へ一時保護委託するため、結果として0歳児は乳児院にはほぼいない。
・乳児院では、より踏み込んだ内容のプログラムとして、レスパイト制度を活用しつつ、2~3年間継続的な里親同士のグループプログラムを実施しており、里親家庭同士の関係構築によって、相互のレスパイトケア、自主サロン等が行われるようになっている。
・今後は、子どもの実家庭復帰に向けたプログラム(親子交流)など、ペアレンティング・プログラムを提供したい。
・里親家庭の状況に応じて里親サロンを開催しており、「未委託である里親家庭に向けた場」「養子縁組成立後の里親家庭に向けた場」「委託~養子縁組成立までの期間の里親家庭の場」を設けている。対面とオンラインを併用しつつ、特に未委託里親にはモチベーションを保つ目的で実施している。
・児童相談所の里親係が7名おり、他地域と大きく異なる点と感じる。他地域の多くの児童相談所では里親担当が専任でないなど体制面が十分でなく、相談業務が重なると里親業務に必要な時間をかけられなくなり、結果的に里親委託が推進できないのではないかと感じる。
・民間委託では、里親との信頼関係が重要となるため、入り口(リクルート)から出口(委託後支援)までの一連の業務を同一の主体が担ったほうが円滑に進むと考え、包括的に委託している。この業務には、里親委託だけでなく一時保護委託も含まれる。
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