ペアレンティングトレーニングとは?内容、里親向けの講座例も紹介
最終更新日2022.05.16
公開日2022.05.16
ペアレンティングトレーニングは、もともと知的障害や発達障害のある子どもを持つ家庭向けに開発されましたが、現在は里親向けのプログラムも登場しており、里親および実親の双方で役立てられるものとなっています。
そこで今回は、里親として委託児童を養育している里親や、里親になることを検討している方に向けて、ペアレンティングトレーニングの概要や内容、里親向けの講座例などを中心にまとめました。
ペアレンティングトレーニングとは?
ペアレンティングトレーニング(英語:Parenting Training)とは、保護者が子どもとの間でより良い関係性を構築する方法を学びつつ、日常の子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する保護者向けのプログラムのことです。別名「ペアレントトレーニング」とも呼ばれています。
もともとは知的障害や自閉症などの子どもを持つ家庭を対象に、1960年代にアメリカで開発されました。その後は対象者が拡大しており、現在ではADHDなどの子どもだけでなく、里親およびその委託児童など、さまざまなケースに応じたプログラムが開発され、展開されています。
ペアレンティングトレーニングでは、子どもの行動変容や親子(実親と実子)の再統合などを目的に、子どもの褒め方や指示などの具体的な養育スキルの獲得が目指されます。そのほか、里親および実親向けに開催されるプログラムなどでは、里親家計簿の付け方・住居探し、実際の暮らしに必要なスキルを指導することもあります。
専門家による子どもの養育場面での指導・トレーニングを通じて、日常生活で親が子どもに適切に関われるようになることで、子どもの行動改善や発達促進、委託児童として里親に養育されるようになった子どもを精神的に安定させることなどが期待できます。
内容
ペアレンティングトレーニングの内容は実施する機関によって異なるものの、1回の講座は1.5〜2.5時間、5〜10回程度の連続講座が設定されているのが一般的です。講座は講義とワークに分かれることが多く、講義では子どもへの接し方や事例を学び、ワークでは講義内容を自身の子どものケースに当てはめて実践形式で学びます。
その後、講座で学んだことを自宅でホームワークとして実践し、次回の講義でその感想や難しかった点をグループで共有するというサイクルでプログラムが進められる仕組みです。
実践して難しかった点は、次回講座で講師に相談することで、振り返りと改善を行えます。また、グループでの受講によって、同じ悩みを持つ方との出会いと共感を得ることも可能です。そのほか、家庭で実践されている工夫の情報交換の場としても活用できます。
里親向けの講座例
最後に、一例として、子ども家庭サポートセンターちば(オレンジの会)が開催した里親向けのペアレンティングトレーニング講座「どならない子育て練習法(DKT)」の概要を紹介します。
このプログラムは、子育てのストレスを軽減し、より良い親子関係を築くためのスキルをインストラクターから体験的に学ぶものです。デモンストレーションやロールプレイを通して、子どもへの言葉掛けや問題行動への対処の仕方を学びます。
開催日時は、平成31年1月10日(木)、1月18日(金)、1月31日(木)、
2月7日(木)、2月12日(火)、2月22日(金)、3月7日(木)の全7回(各回10:00〜12:00の2時間)でした。
また、講座の内容は、以下のとおりです。
・1回:わかりやすいコミュニケーション
・2回:良い結果・悪い結果
・3回:効果的な誉め方
・4回:予防的教育法
・5回:問題行動を正す教育法
・6回:自分自身をコントロールする教育法
7回:フォローアップ
なお、本講座の参加費は無料で、定員は10人程度でした。
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