養子縁組里親は、日本の里親制度における1つの区分であり、現在は養育里親に次いで登録世帯数が多い状況にあります。そこで今回は、主として里親になることを検討している方に向けて、養子縁組里親の概要や近年の動向・データを中心にまとめました。
「保護者のない子ども」や、「家庭での養育が難しく、実親が親権を放棄する意思を明確に持っている子ども」との養子縁組を前提とし、これを希望する里親のことです。そのほかに日本の里親制度では、「養育里親」「専門里親」「親族里親」という3つの分類が存在します。
子どもが6歳未満の場合は、特別養子縁組制度によって、裁判所の審判のもとで実子扱いでの入籍が可能です。それ以外のケースでは、普通養子縁組(養⼦が実親との親⼦関係を存続したままの状態で、養親との親⼦関係を構築する養⼦縁組)の形式が採用されます。
なお、養子縁組里親の年齢は、子どもが成人したときに概ね65 歳以下となるような年齢が望ましいとされています。
里親制度とは、行政(県)から委託を受けた里親が、育てられない実親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度のことであり、里親と子どもに法的な親子関係は作られず、親権者はあくまでも実親です。里親は、自治体より里親手当や養育費などの給付を受けられます。
これに対して、養子縁組とは、民法にもとづいて法的な親子関係を成立させる制度のことであり、養親が子どもの親権者となり、個人的な責任において養育を行います。養子縁組が成立した家庭に対して、自治体などが金銭的な支援を行うことは基本的にありません。そのため、近年は、養子縁組里親に対する経済的・ソーシャルワーク支援の必要性が強く叫ばれています。
令和2年度の福祉行政報告例より、登録里親数を種別に見ると、養育里親が11,853世帯、専門里親が715世帯、養子縁組里親が5,619世帯、親族里親が610世帯あることがわかっており、里親制度における区分のうち、養子縁組里親の登録世帯数は2番目に多い状況です。
また、厚生労働省が取りまとめたアンケート調査(平成29年度実施、全国の養育受託中の里親家庭 4,000箇所を対象、うち1,726家庭から回答を得た)より、養子縁組里親の経験がある人の「これまで養育を受託した里子の人数」を見ると、「1人」が209人と圧倒的に多く、次いで「2人」が30人、「3人」が1人であることがわかっています。
地域によって流れが多少異なるものの、里親になるためのおおよその流れは、以下のとおりです。
上記に加えて、養子縁組を希望する里親の場合、「子どもとの適合を見るために、面会や外出などの交流を重ねながら、里親の家族を含めて新しい家族となることの意志を確認する」といったプロセスも重要です。
児童相談所では、里親制度に関心がある方を対象に「里親入門講座」を開催しているため、興味があれば参加してみるのも良いでしょう。
また、日本こども支援協会では、里親に関するさまざまな情報をご覧いただけたり、里親への質問を投稿するなど里親や関係者との交流を行えたりする場「オンライン里親会」を提供しています。現時点で実際に里子の養育をされていなくても「応援メンバー」として登録できますので、里親制度に関心があればお気軽にご利用ください。
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