乳児院とは、何らかの理由で保護者との生活が困難な乳児を預かる施設のことです。里親家庭に子どもが来る委託経路として「家庭」の次に多く、里親制度と密接な関係にある施設ですが、具体的な役割や入所する年齢、抱える課題などに関して把握していない方も少なくありません。
そこで今回は、里親になることを検討している方に向けて、乳児院の概要、役割・機能、勤務に必要な資格、近年の動向・データを中心にまとめました。
乳児(孤児)を入院させてこれを養育し、併せて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする児童福祉施設のことです。主として、地方自治体や社会福祉法人などが運営を担っています。
原則として、児童養護施設が1歳以上の児童を養育するのに対して、乳児院では1歳未満の乳児を主に養育します。とはいえ、必要があるケースでは、小学校入学以前の幼児も養育することが可能です。
なお、乳児院の在所期間は、1か月未満が6.5%、6か月未満を含めると25.7%です。
主な役割・機能は、以下のとおりです。
乳児院は、乳児の基本的な養育機能だけでなく、被虐待児・病児・障害児などに対応できる専門的養育機能も備えています。
また、乳児にとって保護者とのつながりは、必要不可欠なものです。乳児院は、離れて暮らす親と子の関係性をつなぎながら、家庭に帰るためにサポートし、応援する役割を担います。また、 乳児が里親家庭と巡り会えた場合は、新たな家族(里親と里子の関係性)に寄り添い、支援します。
さらに、乳児院は、暮らしている地域の中で、地域の方の見守りのもと健やかに育っていくことを目指しています。そこで、全国の各市区町村との契約により、一時的に利用する「ショートステイ(子育て短期支援事業)」や「トワイライトステイ(夜間養護)」、地域の親子の遊び場の提供や相談援助を行う「地域子育て支援拠点事業」など、さまざまな事業に取り組み、地域で暮らす子どもとその保護者のサポートに注力しています。
乳児院では、児童福祉法の定めによって、以下の職員を配置する必要があります。
上記の配置基準を見ると、保育士・看護師・栄養士などの資格を取得していれば、乳児院で勤務できることがわかります。なお、比較的規模の大きい施設であれば、上記以外の職種の募集も見られます。
乳児院の入所している子どもの数は、平成23年3月末時点では2,963人であったのに対して、令和2年3月末時点では2,760人とほとんど横ばいに推移しています。
これに対して、乳児院の施設数は、年々わずかながら増加傾向にあり、平成23年10月時点では129箇所であったのに対して、令和2年3月末時点では144箇所と報告されています。
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