養育里親として子どもを長きにわたってずっと家で育てていくのは難しいと感じるものの、お正月や長期休みの数日~1週間程度の期間に限定し自宅に迎えて一緒に生活を送る「季節里親」であれば、なってみたいと考える人は少なくありません。
そこで今回は、上記のように考えている方に向けて、季節里親の概要や課題、メリット、その他の里親の種類などを中心に解説します。
季節里親とは、「児童養護施設などで暮らしている子どもに、週末・祝祭日・夏休み・冬休み・春休み・秋休みなど学校の休業期間における数日間にわたって、家庭生活を経験してもらうこと」を目的に掲げる里親です。
「里親制度に含まれている地域」「里親とは別にボランティアとして位置付けられている地域」「両方含まれている地域」など、自治体によって季節里親の取り扱い方には差異が見られます。また、地域によって呼び方や事前研修の有無などの運用も異なるため、自身が住んでいる自治体の児童相談所に確認しましょう。
里親は、大まかに以下の4つに分かれます。
養育里親
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養子縁組を目的とせずに保護の必要な子どもを預かって養育する里親 |
専門里親 |
一定の専門的ケアが求められる子ども(例:虐待された子ども、非行等の問題を有する子ども、身体障害児、知的障害時児など)を養育する里親 |
養子縁組里親 |
保護者のない子どもや家庭での養育が困難で実親が親権を放棄する意思が明確な場合の養子縁組を前提とした里親 |
親族里親 |
3親等以内の親族の子どもの親が死亡・行方不明・拘禁・入院・疾患などで養育できない場合の里親 |
季節里親の活用に期待されるメリットは、主に以下のとおりです。
実際に児童養護施設などを巣立った人の中には、季節里親を利用し、「現在も頻繁に連絡を取っている」人や「季節里親とつながり続けて実家のように頼っている」人もいます。
児童養護施設での集団生活には、主として以下のようなデメリットが見られます。
こうした短所を補ううえで、季節里親は重要な存在です。加えて、児童虐待の増加も反映して、ショートステイや一時保護委託などのニーズが拡大している状況です。
その一方で、現在、これらの制度は里親手当の支給対象外とされています。こうした事情を受けて、週末里親のほか、ショートステイ里親・トワイライト里親・季節里親などの類型を整理し、里親手当の支給対象に含めることが求められているのです。
また、季節里親を子どもが経験することで、「居心地が良くて、もともとの施設に帰りたくなくなった」「その里親に自分とは異なる子どもが委託されてしまった」「子どもが里親の財布からお金を取った」といったトラブルが発生した事例も報告されています。
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