本記事では、「児童養護施設等退所者の実態調査」について、前回の記事「児童養護施設等退所者の実態調査【要約①】」の続きとして、退所者の生活およびその他のアンケート調査の結果を要約して取り上げます。
退所者の生活に関するもの、その他のアンケート調査の要約を順番に紹介します。
・退所に向けて不安だったこととして、「生活費や学費のこと」の割合が最も高く、次いで「将来のこと」「仕事のこと」「住まいのこと」の割合が高い。
・退所直後にまず困ったことについて、「金銭管理(33.0%)」「生活費(32.1%)」「困ったことはない(26.9%)」が上位3位。前回の調査と共通して設置した選択肢については、前回調査とほぼ同様の結果。
・退所後に法的なアドバイス等を必要とするトラブルに遭遇した経験の有無について、「児童養護施設」と「自立援助ホーム」では「ある」と回答した人がそれぞれ 21.5%と22.7%。
・遭遇したトラブルの内容について、「家賃滞納(38.7%)」「借金(31.5%)」、「その他(21.6%)」が上位3位。
・直近 11年間の施設等との連絡頻度は、多い割合から順番に「2〜3カ月に1回以上」が31.3%、「半年間に1回以上」が24.4%、「月に1回以上」が18.5%。
・困った時の相談相手は、「施設の(元)職員」が44.9%、「施設等で生活したことのある友人以外の友人」が41.6%、「施設等で生活したことのある友人」が29.5%で多い。
・施設退所に際して支えになった人として「施設の職員」について、「大きな支えになった」と回答した人の割合が最も高く61.6%。退所直後の困ったことに対する主な相談相手について、「施設の職員」と回答した人の割合が最も高く49.8%。
・退所直後の困った時に対する主な相談相手について、「相談できる人はいない」と回答した人の割合は12.5%と、前回調査(11.7%)とほぼ同様の結果。
・施設等退所者の相談支援機関の認知・利用状況について、「相談支援機関があることを知らなかった」が25.0%、「ある」が13.4%、「ない」が61.6%。前回調査と比べると、「ある」と回答した人の割合は5.0%増加。
・現在の心身の状態について、「健康である」と回答した人の割合が最も高く76.4%。「通院している」は17.0%、「通院していないが体調が悪い」は7.6%。
・「健康である」と回答しなかった人のうち、「医療機関」を利用している人に通院している診療科を尋ねたところ、前回調査と比べると、「心療内科(41.4%)」「精神神経科(41.4%)」と回答した人の割合が、それぞれ17.4%と19.3%増加。
・過去1年間で医療機関を受診できなかった経験について、「経験はあった」と回答した人の割合は24.6%。その理由については、「お金がかかるから」の割合が最も高く60.4%。
・現在の住まいについて、「民間賃貸住宅(61.2%)」「親の家(9.7%)」「福祉施設・自立援助ホーム(7.7%)」が上位3位。
・手取りの月収について、同居相手の状況別に見ると、「ひとり暮らし」では「15~20 万円未満」が34.5%と最も割合が高い。「子供あり」では「20~25 万円未満」が23.9%と最も割合が高い。月々の収支バランスは、「収入と支出がほとんど同じくらい」が36.6%、「収入の方が多い(黒字)」が29.8%、「支出の方が多い(赤字)」が21.4%。
・措置延長制度の認知度について、「知っていた」と回答した人の割合は70.8%と、前回調査(61.5%)と比べると増加。
・自立支援コーディネーター、ジョブ・トレーナー、自立支援相談員の認知度について、「知っていた」と回答した人の割合は75.5%と、前回調査(45.7%)と比較すると増加。
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