今から6年前の年末年始。児相から季節里親のご紹介をいただいたのがK君でした。小さな子どもを初めてわが家に迎え入れるお正月は、特にチャイルドシートやチャイルドチェアを準備したり、食事のメニューに気を使ったことを覚えています。
当時を振り返り、里親になったきっかけや、季節里親を通じて学んだことや体験談を共有させていただきます。
私は里親登録歴7年目になります。子どもが大好きな夫婦ですが、なかなか子どもに恵まれず不妊治療を決意。何度か体外受精にも挑戦しましたが、残念ながら思うように結果は出ませんでした。
子どもを諦め、犬を家族に迎えて夫婦二人、新しい人生を歩みはじめていました。
ある日、市役所を訪れたときのこと。壁に貼った『里親募集』のポスターが私の目に留まりました。さまざまな事情によって、実親と離れて暮らす子どもの里親になりたい!、と思ったのがきっかけでした。
これから里親を目指そうと思っている方や新米里親の方たちに、少しでもお役に立てればと思い、記事を書かせていただきます。
児相からK君をはじめて紹介されたとき、私たちの胸は高鳴りました。季節里親でも、子どもと里親の相性というものがあります。
委託期間に関わらず、児相から児童を紹介されたら一度、正式に面会を行う機会があります。
「どんな子なんだろう・・・」
「私たちを気に入ってくれるかな?・・・」
などと期待と不安が入り混じり、夫婦で毎晩語り合いました。
そして面会当日を迎えたのです。K君と会うまではワクワクドキドキでした。
このとき先生と手を繋いで現れた子どもは、なんと、里親研修のときに一緒に遊んだ子どもだったのです。
丸顔におかっぱ頭。いつもニコニコしながらアンパンマンのお絵描きをしていた男の子。
その子の笑顔がとても人懐こくて、私の脳裏に焼き付いていたのです。
部屋に入ってきた瞬間分かりました。
「あれ!?会ったことあるよね?」って思わず口に出てしまったくらい。研修時は確か1歳半くらいの幼児さんでした。まさか、季節里親で紹介されるとは思いもしませんでした。この出会いに運命を感じました。
研修時は、先生の陰に隠れて積み木やお絵描きをしているような男の子でした。でも決して大人しいとか人見知りではなく、大人の心を癒してくれるような不思議なオーラを醸し出している子どもでした。
話は季節里親の面会時に戻ります。このときK君は2歳になっていました。早生まれなので翌春誕生日が来て3歳になるという年齢でした。
「お名前は?」と私が聞くと、ニコニコ顔で黙って頷くだけでした。よほど緊張していたのでしょうか。
先生が「K君、プレイルーム行こうか?ここじゃ緊張しちゃうもんね」といい、いつも幼児さんが遊ぶお部屋に行きました。
K君は、さっそくクレヨンを持って画用紙にお絵描きをはじめました。大好きなアンパンマンと車をとても上手に描いていました。まだ2歳なのに自分の名前まで書けるようになっていることに驚きました。
はじめはとても恥ずかしそうなK君でしたが、少しづつ心を開いてくれた様子でした。先生から「○○さん」と私たちの名字を言えるように練習していたようですが、とうとう最後まで言えませんでした。
「今度迎えに来るから一緒に遊ぼうね!」というと、
「うん!」と元気よくお返事してくれました。
面会のときには、私たち大人が「どんな子どもなのだろう?」と緊張するように、子どもも「どんな里親さんが来るのかな?」とドキドキしています。
K君が恥ずかしがりながらニコニコしていたのは、きっと私たちのことを観察していたのでしょう。
子どもは幼いながらも、自分の経験と知恵を使いながら「自分を可愛がってくれる人かどうか」、「一緒に遊んでくれるかな?」「自分のこと気に入ってくれるかな?」など相手を良く観察しているのです。
大人の私たちが初対面の人に好印象を持たれようと笑顔で接することがありますが、K君もまた笑顔で接してくれたのでしょう。
この記事がお役に立てたら嬉しいです。ありがとうございました。
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