今から6年前、児相から年末年始の季節里親にご紹介をいただいたのがK君でした。子どもを育てた経験のない私たち夫婦にとって、幼児を初めて家庭に迎え入れるのは、嬉しさもあり不安と緊張でドキドキしていたことを今でも忘れはしません。
※「季節里親」について詳しくは「季節里親とは?概要や課題、その他の里親の種類も解説」をご覧ください。
当時、新米里親だった私がK君の季節里親を振り返り、感じた事や体験談を共有させていただきます。
私は里親登録歴7年目になります。子どもに恵まれず長い間不妊治療と戦って来ましたが、私の年齢45歳が体外受精のタイムリミットだと担当医から言われていました。
なかなか思うように結果は出ず、エネルギーもお金も使い果たして断念。犬を家族に迎え夫婦二人、新しい人生を歩みはじめていました。
ある日、市役所を訪れたときのこと。壁に貼った『里親募集』のポスターが私の目に留まりました。訳あって実親と離れて暮らす子どもの里親になりたい!、と思ったのがきっかけでした。
これから里親を目指そうと思っている方や新米里親の方たちに、少しでもお役に立てればと思い、記事を書かせていただきます。
里親認定当初は長期養育里親を希望していました。実は認定直後、児相から紹介を受け、マッチングまで進んだAちゃんとの出会いがありました。しかし、訳あって中途辞退に至った苦い経験があります。
Aちゃんとは何度か交流を重ねていたため、辞退をするにはかなり勇気が必要でした。
その後、しばらくは長期里親を諦めようと考えていたこともありました。
私たちは二人とも地元が遠方で、現在の住まいを中心に西と東に分かれています。近くに身内が一人もいないため、突然私が寝込んだときや急用のときなど、「お願い!ちょっとだけ面倒を見てもらえる?」と頼める人がいないことがネックだと考えていました
それが辞退した理由の一つです。また、Aちゃんは大きな問題を抱えていたため、私たちにはハードルが高いと感じたのです。自分たちの未熟さを思い知りました。
里親の目標へと突き進む熱い情熱は薄れ、子どもを育てた経験がない私たちが、「手のかかる幼児を育てるのは難しいかもしれない」、と考えはじめたのです。
「私たちには未就学児は難しいかもしれない・・・」、
「いや、もう里親になれないのではないか・・・?」、
児相の里親担当の方に自分たちの正直な気持ちをぶつけ、「Aちゃんには本当に申し訳ないと思っている・・・」、と涙ながらに訴えました。
それからおよそ半年間、Aちゃんのことが頭から離れずにいました。
私たちは里親になる自信をすっかり失くしてしまったのです。
そんなときのことです。児童相談所の担当員さんから年末年始の『季節里親募集』の話を聞きました。
今はまだ、長期里親のハードルが高いようならば、週末や季節里親からはじめようと新たな決意をしたとき、K君の紹介を受けたのです。
あれから6年、
K君と私たちは、少しづつ信頼関係を築きあげて行くことができたと実感しています。K君と新幹線に乗って、関東の姉の家を訪ねたこともありました。姪の長女がK君と同学年だったこともあってか、二人はすぐに打ち解けました。
これを機に、姉一家が夏休みに私たちの家に遊びに来たこともありました。
明るく人懐こいK君は、姉夫婦や姪・甥夫婦、周りの大人たちにも可愛がられています。
コロナ禍になってから、しばらく往来が出来なくなっていますが、姪の子どもとK君も互いに忘れられない想い出になっているようです。
毎日一緒に居なくても、子どもと里親の間に信頼関係を築くことができます。
例え年2回の季節里親でも、子どもは”自分が帰る場所”があることを覚えています。
K君の「お父さん」「お母さん」になれなくても、「おっちゃん」「おばちゃん」になれて本当に良かった!
K君とまた会える日が、今の私たち夫婦の生きがいです。
この記事がお役に立てたら嬉しいです。ありがとうございました。
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