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子どものトラウマとその対処法①|子ども虐待の現状|里子に気になる様子がある時の対処法とは?

最終更新日2022.01.25 公開日2022.01.25

近年、社会的問題となっている子どもへの虐待。コロナ禍の中、児童相談所に寄せられた児童虐待相談件数が過去最高を更新したというニュースを見られた方も多いのではないかと思います。虐待を受けている子どもの中でも虐待の状況が深刻であると児童相談所が判断した子どもは、児童福祉法に基づき、一時保護され、児童福祉施設や里親に委託されます。

 里親には、元の家庭でつらい思いをしてきた子どもを委託されるケースも少なくありません。そこで、里親としてはもちろん、子どもの幸せを願う大人として知っておきたい、子ども虐待の現状について、この記事ではお伝えします。

 

子ども虐待(児童虐待)とは

子ども虐待とは、「家庭内の大人から子どもに対する不適切な力の行使」です。ここでいう家庭内の大人には、親やその他の保護者だけでなく、保護者以外の同居人も含みます。祖父母や叔父、叔母、年齢の離れたきょうだいなどの親族、親族以外の同居人も、不適切な「力の行使」による加害者になることがあります。 

児童虐待の防止等に関する法律(通称:児童虐待防止法)では、第2条において、18歳未満の子どもに対して、その養育者がおこなう以下のような行為を「児童虐待」と定義しています。

 

身体的虐待

身体を傷つける、または傷つけるおそれのある暴行などを加えること
・殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる
・異物を飲ませる、(懲罰として)食事を与えない、寒い戸外に閉め出す、縄などで拘束する
・意図的に子どもを病気にさせる など

性的虐待
子どもにわいせつな行為をする、またはさせること。直接的な性行為以外にも、性的な満足を得るためにしたり、させたりする行為も含む

・子どもへの性的行為
・性的行為を見せる
・子どもに他人との性行為を強要する
・ポルノグラフィの被写体にする など

 ネグレクト
子どもの心身の発達を妨げるほど、世話をしないこと。保護者以外の同居人による虐待行為の放置も含む。

・家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない、子どもに関心を持たず、育児を放棄する
・保護者以外の同居人が子どもを虐待していることを知りながら、放置している
・子どもの情緒的な欲求に応じない など

※「ネグレクト」について詳しくは「ネグレクトとは?定義、子どもが受ける影響、近年の動向も解説」もご覧ください。

心理的虐待
暴言や拒絶的な対応などで、子どもの心を傷つけること

・言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い
・子どもの自尊心を傷つけるような言動を繰り返す
・子供の目の前で、家族に対して暴力をふるう(DV) など


参考資料:
白川美也子(2020)『子どものトラウマがよくわかる本』(講談社)

児童虐待相談件数は5年で倍増

引用元:厚生労働省資料『令和2年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数(速報値)』 


厚生労働省の発表によると、令和2年度中に、全国220か所の児童相談所が対応した児童虐待相談件数※は205,044件(速報値)と、過去最多を記録しました。前年度比では+5.8%(12,216件の増加)とそれほど大きく増えていないように見えますが、平成30年度は+19.5%、令和元年度は+21.5%と近年で大幅に増加し、平成27年度の103,286件から、5年で相談件数が倍増していることが分かります。


※相談対応件数とは、令和2年度中に児童相談所が相談を受け、援助方針会議の結果により指導や措置等を行った件数のこと


児童虐待相談の内容別件数

では、どのような虐待相談が多いのか、その内訳を見てみましょう。

 

 引用元:厚生労働省資料『令和2年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数(速報値)』


最も多いのが、「心理的虐待」で121,334件(59.2%)、次いで「身体的虐待」が50,035件(24.4%)、「ネグレクト」が31,430件(15.3%)、「性的虐待」が2,245件(1.1%)となっています。

 特に令和2年度は、「心理的虐待」に関わる相談対応件数が増え、令和元年度の109,118件から12,216件増加の121,334件となっています。これは、相談経路の最も多く(50.5%)を占める警察からの、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力がある事案、いわゆる面前DVについて通告が増加していることにも関連があります。


最後に

このように児童虐待相談件数は年々増加しています。

万一、里子に気になる様子が見られた場合は、児童相談所などに相談するほか、先輩里親も参加するオンライン里親会で相談してみてはいかがでしょうか。

オンライン里親会は、里親同士がつながり支え合えるコミュニティ。実際に里子の養育をしている方を対象とし、登録会員のみが参加できる交流サロンを週1回土曜日に開催するほか、掲示板での相談や専門家を招いたオンラインセミナーも開催しています。

里親ならではの「しんどさ」を仲間と共有すること、正しい知識を学べる場を得ることで、里子との関係も変わるかもしれません。ぜひ気軽に参加してみてください。

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