令和3年度より、里親手当が改定されました。具体的には、里親手当の2人目以降の里親手当が1人目と同額になり、里親手当の一層の充実が図られています。
今回は、主に里親制度の利用を検討しているものの、養育費に関して不安を抱えている方に向けて、里親に支給される手当等の概要および、令和3年度の改定に関する情報をまとめました。
令和3年度予算より、里親に支給される手当等の種類および金額は、以下のとおり定められています。
●里親手当(月額)
→養育里親 90,000円(2人目以降:90,000円)
→専門里親141,000円(2人目:141,000円)
●一般生活費(食費・被服費など。1人あたりの月額)
→乳児60,110円、 乳児以外52,130円
●その他の費用
→幼稚園費・教育費・入進学支度金・就職支度費・
大学進学等支度費・医療費・通院費など
※養育里親とは、養子縁組を目的とせずに、要保護児童を預かって養育する里親のこと。
※専門里親とは、虐待された児童や非行等の問題を有する児童および、身体障害児や知的障害時児など、一定の専門的ケアを必要とする児童を養育する里親のこと。実家庭への家庭復帰や家族再統合、自立支援を目的としている。
里親に委託されている子どもは所得税法上の扶養親族とみなされ、扶養控除の対象です。年末調整か確定申告の時期に児童相談所から「児童委託証明書」をもらい、所得税控除のための手続きを行います。このときには、委託されている子どもの本名および続柄(里子)を記載します。
以前(令和2年度まで)の里親手当の金額を見ると、養育里親のケースでは月額86,000円(2人目以降43,000円)、専門里親のケースでは月額137,000円(2人目以降94,000円)が支給されていたため、令和3年度からは養育里親・専門里親ともに手当の金額が増えていることがわかります。
そのほか、レスパイトケアに関しても、以前は全年齢ともに日額5,600円だったのに対して、現在では2歳未満については8,640円(2歳以上は5,600円)に改定されており、支給額が増加していることがわかります。
施設・里親のいずれでも、子どもにかかる生活費は月額5万円(年額60万円)程度だと言われており、給食費・教材などの学校でかかる費用は実費・病院やそれに伴う薬代は100%国が保証してくれるため、よほどの贅沢をしない限り「お金が足りなくて養育里親を続けられない」という事態には陥らないと考えられます。
ちなみに、児童が高校生以上になると学校の費用・塾代などが定額支給となり、発生した費用が実費で全額支給されるわけではないため、将来の進学等を見据えて、児童が小さい頃から里親が児童手当も含めて貯金を行っているというケースも少なからず見られます。
※レスパイトケアとは、委託児童を養育している里親家庭が、一時的な休息のための援助を必要とする場合に、他の里親、乳児院、児童養護施設などを活用して子どもを預けること。
なお、今回の記事に関連して、
養育里親ってどれくらいのお金がかかるの?誰もが不安に思う「養育費」のことの記事も参考になるかと思いますので、よろしければご覧下さい。
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