① 先輩里子(当時4歳)×年上里子(当時10歳)の新生活はどんなイメージ?
以前 『発達障害のある里子と暮らした経験から学んだこと』で紹介したZ君、発達障害や愛着障害を抱えていました。Z君は1回のマッチングでわが家に受け入れが決まりました。
委託の話から数日で引っ越しとなり、忙しい新生活のスタートとなりました。そのような状況ではありましたが、ZくんはHちゃん(当時4歳)がいることに好意的で、優しく接してくれました。Hちゃんも小さいお兄ちゃんが増えたことで喜んでいました。
おおむね、二人の関係は順調に見えました。
私たちも里子が二人になり、はじめは兄弟のような関係性をイメージして養育をスタートしました。
② イメージ通りにはいかない?!関わり合いの中から家族のあり方を模索する必要性
しかし、数日余りで、私もHちゃんも「Z君がお兄ちゃん」と、年齢で決めてはいけないと考え始めました。
もちろん、一般的に大きな子が小さな子に優しくするといった部分で言えば、Z君も道徳的な善し悪しは理解していましたし、Hちゃんに優しくしてくれることも多々ありました。
でも、里親家庭で暮らすということは「24時間、毎日毎日」なのです。
それまで、Z君は母と二人で生活していたという背景があります。その彼が、里親宅での生活を余儀なくされることになったのです。
すでに高学年であるZ君、発達障害があるないに関わらず、それまでの生活が一変したことは混乱の連続とだったと今でも振り返ってしまいます。
Z君は精神的には幼稚園児のHちゃんと同程度と感じる場面が多くありました。
わが家の実子は2年間に3人(姉×双子兄弟)生まれるという、年が近い兄弟の子育てでした。お姉ちゃんはまだ甘えたい盛り、間もなく2歳という年で、二人の弟ができてしまったのです。ですから、日常生活の中では、お姉ちゃんだからとかは意識して使わないようにして、兄弟同等に育てようという想いで3人に接してきました。
私自身が長女で、「お姉ちゃん」と家族から呼ばれており、名前で「◯◯ちゃん」と呼ばれる妹にあこがれていたこともあり、双子もお姉ちゃんを「◯◯ちゃん」と名前で呼ぶよう小さい頃から自然に誘導していたというエピソードもあります。
各家庭の中には様々な想いがあり、どれが正しいと言うことはなく、その時の親の考えを最善の策として「家庭」を築くのだと思います。
HちゃんとZ君は年齢差が6歳あり、私の中では年が近かった実子たちのイメージよりは自分と妹との関係性を無意識にイメージしていたのだと思います。
しかし、実際にはイメージとは異なりました。そして、兄弟とも違う里子同士の子育てだと意識する必要もあると感じました。
兄弟として生まれたわけではない里子同士を、一緒に生活しているからと言って型にはめてはいけない、と気がつけたことは大きかったと今でも思います。
③ 里子個人を尊重する意識を心に留めて~家族として、何よりも「里親子」として
里親家庭は『家族』として生活をしますが、決して世間一般的な『家族』である必要はないと改めて意識しました。自然と関係性が「兄弟」に近づいていくのであって、里親がそれを求めてはいけないと。
私もそうですが、経験から、近い形を無意識に探し、お手本にしようとしますが、お手本通りにはいかないことがむしろ普通であり、たくさんのお手本のいいとこ取りをして、新しい形を作ることが適作ではないかな、と今回の経験から学びました。
里親家庭にくる里子ちゃんは「日常」を求めてくるのであって、「お兄ちゃんになる」ためにやってくるわけではないですからね。
「里親は、自身の想いで好きでやることだから、自然体な自分のままで」とか「実子を育てたように」とか、根底の部分ではありますが、実際に養育里親をやってみて考えさせられたことですが、里子一人ひとりにとっての「里親」としての意識、時には里子の背景に合わせて、その子にとって必要な「親」をすることも大切だと考えさせられました。
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