現在、2人の里子ちゃんの「お母さん」として日々奮闘?している養育里親です。
初めて委託を受けたのは今から3年ほど前。
その後、短期委託も含めて計4人の里子ちゃんとの出会いを経験しています。
委託当初(今もかな?!)は心躍っていた反面、「不安や悩みを抱えたときにどうしたらよいのか?」と必死に情報集めをしていたのを思い出します。そこで感じたのは「育児」に関する情報はあふれているのに、「里親や里子の気持ち」に向き合った情報が少ないということです。
そこで、今回は最初に委託されたHちゃんとの出会いを通して、私が感じたことや戸惑ったことを共有いたします。
学生時代、友人の家庭で「里親」をやっていると聞き、「私も将来なりたいな」と漠然とした想いを抱きました。
その後、私は結婚し、長女・長男・次男(双子)を出産しました。実子の学年差は2才です。3人の子育て、それはもう毎日はちゃめちゃ!(ここでは育児の大変さは省略しますね。)
月日は流れ、子どもたちは高校生に。慌ただしい日常が懐かしいなあ~と想い始めた頃、「里親」という言葉をふと思い出しました。主人の理解も得られ、二人で養育里親の研修を受け、養育里親認定をいただきました。
認定から1年余りが経ち、「委託が本当にあるのか?」ともどかしく、そわそわしている頃、初めての委託の話がありました。
※「養育里親」について「養育里親とは?概要、近年の動向・データ、なるための方法も解説」で詳しく説明しています。
1人目:Hちゃん。委託時3才の男の子。現在6歳。(委託中)
2人目:Aちゃん。生後4ヶ月の男の子。約10日間の短期委託。
3人目:Zくん。小学校高学年の男の子。委託期間約1年。
4人目;Rちゃん。3才の男の子。(委託中)
以下、Hちゃんとの出会い、そして現在に至るまでの過程で感じた「生い立ちとの向き合い方」と「家族」の意味について考えさせられたことを私なりに振り返っていきます。
Hちゃんは乳児院で担当先生の愛情を受けて生活していた元気な3歳の男の子でした。約4ヶ月のマッチングを経て、わが家へやってきてくれました。
施設との生活とは大きく変わり、好奇心と戸惑いいっぱいのHちゃん。リモコンやスイッチの操作といった身近なものを自由に触れることが「家庭」なのだということも改めて気がつかされました。
委託から2、3ヶ月過ぎた頃に一番不安だったこと。それは、Hちゃんは言葉が達者なものの、無心に身体を預けてきてくれないような、何とも表現が難しい「心の距離」があると感じたことです。「この先、この子に無償の愛を注いでいけるのかな?」と思ったこともありました。
そんなとき、「委託時が0才」という考え方を耳にしたのです。そこから、
「この子の生い立ちからの全てを受け入れた上で、ゼロから始めてみよう!」と受け止めました。この考え方がストンと腑に落ちた瞬間でした。
それからは実践です。「お母さんの大切なベイビーちゃん」と言いながら抱っこをするなど、「ベイビーごっこ」をしました。すると、Hちゃんはとっても満足をした顔をしてくれました。普段よりも過剰すぎるくらいのスキンシップを意識して取り入れることで、お互いの隙間を埋めるように、関係性を深めてくれました。
今思えば、距離をとっていたのは私もHちゃんも同じ。Hちゃんだって不安いっぱいだったのでしょう。里子に「わが子としての振るまい」を求めたり、「早くお母さんとして認めてほしい」と焦ったりしていたことが、知らず知らずに伝わっていたからではないかなと思えます。
現在では無心に寄り添ってくるHくんが本当に愛おしく、当初の不安が嘘のようです。
私の場合、一緒の生活が1年くらい過ぎた頃から、「自然な関係性」になれたな、と思うようになりました。
焦らず、すぐに答えを求めず、一緒に泣いて・笑って、たくさんの経験を積み重ねていくことで本当の「家族」になっていく、そこに実子もも里子も違いはないということを実感しています。Hちゃんは「大人になったら、お母さんにマック買ってあげるね」と、言ってくれます。その言葉に「どんなことがあっても、お母さんはずっと、ずっと、Hちゃんのお母さんだよ」と心に誓っています。
新米里親さん、これから里親になる皆さんがそれぞれの家庭を築いていく中で、私の経験が「情報」としてほんの少しでもお役にたてたら嬉しいです。
機会があれば、また様々なエピソードを踏まえて、「情報」を提供していきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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